ニュースリリース

1999年04月15日ニュースリリース

ホンダ、新世代リアルオープンスポーツ「S2000」を発売

 本田技研工業(株)は、「走る楽しさ」、「操る喜び」を具現化しつつ、同時に、環境への配慮と高い衝突安全性を兼ね備えることをテーマに開発した、新しい走りの楽しさを提案する リアルオープンスポーツカー「S2000」を、4月15日より、全国のホンダベルノ店より発売する。 

S2000(オプション装着車)

S2000(オプション装着車)

S2000は、FR(フロントエンジン・リアドライブ)方式の2シーターオープンスポーツカーであり、2リッター4気筒自然吸気ながら最高出力250PS、最大回転数9,000rpmという世界最高水準の高出力と、平成12年排出ガス規制値を50パーセント以上下回る先進の排出ガスのクリーン化を実現している。 
FRスポーツカーとして、より優れたハンドリング性能、軽快感、人車一体感実現のために、エンジンを前輪車軸後方に配置するFRビハインドアクスル・レイアウトとすることにより車体前後重量配分を理想である50:50とした。 
また、新開発オープンボディ骨格構造「ハイX(エックス)ボーンフレーム」により、クローズドボディ同等以上のボディ剛性と世界最高水準の衝突安全性を備えている。 
生産はNSXと同じ栃木製作所高根沢工場で行われる。
吉野浩行 本田技研工業(株)社長は、 
「S2000は、楽しさ、地球環境への対応、安全性という複数の価値を高い次元で実現した21世紀に向けた新しいホンダのシンボルである」と語った。

S2000(オプション装着車)

S2000(オプション装着車)

販売計画(国内)

月間500台

希望小売価格(6MT車両本体価格 単位千円)

東京 名古屋 大阪 福岡 仙台 札幌 沖縄
3,380 3,391 3,396 3,407 3,384 3,421 3,461

メーカーオプション

BBSアルミホイール(4本) 200,000円
本革シート   100,000円
ホンダDVDナビゲーションシステム 220,000円

S2000のおもな特長

エクステリア/インテリアデザイン

  • 個性的で存在感のあるエクステリアデザインは空力特性を追求し、揚力の低減により、優れた高速安定性に寄与している。
  • スイッチひとつで約6秒で開閉する電動ソフトトップを採用。
  • ステアリングまわりにスイッチ類を集中させ、プッシュボタン式エンジンスターターとするなど、フォーミュラーレーシングカー感覚を彷彿させるインテリアとした。
  • エアコンに腰下全体を暖めるオープンモードを新設定するなどオープン走行時の快適性を向上させている。

エンジン/トランスミッション

世界最高水準の高出力と先進の低排出ガス化を実現。

  • 新開発F20C 2リッター4気筒自然吸気DOHC VTECエンジンは、リッターあたり125馬力、最高出力250PS/8,300rpm、最大回転数9,000rpm、最大トルク22.2kgm/7,500rpmを発生。2リッター4気筒自然吸気では世界トップレベルの高性能を実現している。
  • ホンダ独自のVTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)の進化を中心に高回転化とフリクションの低減、充填効率の向上などにより高出力化を達成すると同時に、シリンダーブロックなどのスリム化により、従来の2リッターDOHC VTECエンジンに対し軽量コンパクト化している。
  • マルチポート排気2次エアシステムとメタルハニカム触媒の採用などによるコールドスタート時からの効率的な排出ガスのクリーン化を実現し、平成12年排出ガス規制最初の適合車として認可され、CO、HC、NOxとも平成12年排出ガス規制値を50パーセント以上下回っており、環境庁技術指針「低排出ガスレベル」をも満たしている。
  • 10・15モード走行では、12.0km/L(運輸省審査値)という低燃費を達成。
  • エンジン特性を引き出し、スムーズな加速感と小気味よいチェンジフィールの実現のため、ショートストロークでクロスレシオの6速マニュアルトランスミッションを新開発した。

ボディ

オープンカーでありながら、クローズドボディ同等以上の剛性と衝突安全性を実現。

  • ボディ中央部に位置するフロアトンネルをメインフレームの一部として活用し、フロアトンネルを前後のサイドメンバーと同じ高さで水平につなぐX(エックス)字型の新構造、「ハイX(エックス)ボーンフレーム」を採用した。
  • これにより、完全ストレート化させたサイドメンバーからフロアトンネル、サイドシルそしてフロアフレームまでがつながる「三つ又分担構造」を形成し、オープンボディでありながら重量を増加させずにクローズドボディ同等以上の高剛性と衝突安全性を実現している。
  • 人の傷害値の軽減を第一に、Gコントロール技術によりホンダ独自の高い基準を設定。前面フルラップ衝突55km/h、前面オフセット衝突64km/h、側面衝突50km/h、後面衝突50km/hを達成している。さらに、歩行者の傷害軽減のため、ボンネットヒンジとワイパーピボットに衝撃軽減を施した歩行者傷害軽減ボディも採用している。

シャシー

操舵に対する高い車両応答性の実現と制動性能の向上。

  • 高いハンドリング性能と高レスポンスを実現するため、インホイール型ダブルウィッシュボーンサスペンションを新設計。
  • フロントに16インチタイプのベンチレーテッドディスクブレーキ、リアには15インチタイプのディスクブレーキを採用し、さらにコンパクトで軽量なABSシステムを装着した。
  • トルクセンシングタイプLSDを採用。

安全

  • 全方位衝突安全設計ボディ 
    前面フルラップ衝突55km/h、前面オフセット衝突64km/h対応 
    側面衝突50km/h、後面衝突50km/h対応
  • 乗員傷害軽減 
    両席SRSエアバッグシステム 
    3点式ロードリミッター付プリテンショナーELRシートベルト 
    ドア内蔵衝撃吸収パッド、頭部衝撃保護インテリア
  • 歩行者傷害軽減ボディ 
    衝撃吸収ボンネットヒンジ、衝撃吸収ワイパーピボット

環境

  • 平成12年排出ガス規制 *1 (施行平成12年10月1日)適合。これにより、自動車取得税の優遇 *2 が受けられる。
  • CO、HC、NOxとも平成12年排出ガス規制値を50パーセント以上下回っており、環境庁排出ガス技術指針 *3 における仮称「低排出ガスレベル」をも満たしている。
  • *1平成12年排出ガス規制
    平成12年10月1日より施行される国内新排出ガス規制で、現行昭和53年規制におけるCO、HC、NOxそれぞれの規制値の約70パーセント減を義務づけている
  • *2適合車自動車取得税優遇について
    平成12年規制適合車の規制施行前である平成11年4月1日から平成12年9月30日までの新規登録において、自家用、営業用ともに自動車取得税が定率1パーセント軽減される。
  • *3環境庁排出ガス技術指針
    さらなる強化として、HCとNOxにおいて平成12年規制値をさらに25パーセント(仮称「移行期低排出ガスレベル」)、50パーセント(仮称「低排出ガスレベル」)、75パーセント(仮称「超低排出ガスレベル」)下回る3段階基準を定めた指針