|
エンジンは、新設計の水冷・4サイクル・DOHC・4パルプ・V型4気筒・749ccで、ホンダ独自のカムギアトレーン(カムシャフトを歯車で駆動する方式)を従来のエンジン中央から右端に配置変更し、カムシャフトの長さを短くするとともに、ギア枚数やベアリング数を減少させることによって、高剛性化とフリクションロスの低減を実現している。また、ハイシリコン・アルミニウムの粉末に、耐久性を向上させるセラミックスと、潤滑性を向上させるグラファイト(黒鉛)を添加し、熱間押し出し成形したパウダーメタル・コンポジットのシリンダースリーブを採用するとともに、フリクションの低減を図ったスリッパータイプのピストンにチタン合金製のコンロッドを組み合わせて採用するなど、優れた放熱性と軽量化を両立させている。
また、吸気系は、大気圧や水温、アクセル開度、吸気負圧、エンジン回転数など合計7ヶ所のセンサーからの情報を瞬時に演算処理し、マップ・コントロールによって最適な燃料吐出量を決定する電子制御の燃料噴射装置(PGM-FI)を採用。大口径の4連ボアのスロットルボディやストレートインテークポートにくわえ、点火時期を最適にコントロールするPGMイグニションを組み合わせて採用することによって走行環境の変化に応じて低回転域から高回転域まで力強く俊敏なレスポンス性を実現している。
さらに、冷却系には、アルミ製の上下2分割タイプのラジエーターを採用し、下部ラジエーターの裏側には、薄型ファンモーターを搭載するなど充分な冷却性能を発揮させている。
また、大型の空冷式オイルクーラーをラジエーター後方に縦に配置し、走行抵抗を増すことなく油温を適正に維持できるものとしている。
フレームは、ホンダ独自の薄型のアルミツインチューブのダイヤモンド形式とし、最適なフレーム剛性をもたせると同時に、軽量化をも両立させるために、ヘッドパイプ廻りやピボット部にアルミ鋳造パーツを採用し、フレームのねじれや、たわみの均一化を図つながら剛性感のある操縦性を実現させている。
足廻りは、フロントに直径41mmインナーチューブを持つ高剛性の倒立式フォークを採用し、構造材各部に軽量のアルミ材を採用することによって、剛性を確保しながら軽量化をも実現している。同時にライダーの好みに応じて乗り心地を調節できるよう、伸び側と圧側の減衰力やスプリングの初期荷重の調節機構を装備している。また、リアには高剛性の片時ち式スイングアーム(プロアーム)を採用するとともに、前・後とも徹底して軽量化を図ったアルミ・ホイールに、優れたグリップ性能をもつ軽量で幅広のラジアルタイヤを組み合わせて装備することによって、バネ下重量の低減を図りながら、しっかりとした剛性感の中にもしなやかさをあわせもつ優れた操縦フィーリングを実現している。フロントブレーキは異径4ポット対向ピストン・キャリパーと耐摩耗性に優れた焼結パッドに大径(310mm)フローティング・ディスクをダブルで、リアには、2ポット・ピンスライドタイプのキャリパーに焼結パッドを組み合わせて採用するなど、高い制動効力を発揮させている。
外観は、ワークスマシン「RVF750」のイメージを踏襲し、V型4気筒エンジンのスリムでコンパクトな特徴を活かし、空気抵抗を極力抑えながら各部に徹底したエアマネジメントを施し、ラジエーターなどに積極的に走行風を送り込むとともに、カウルサイドに設置したアウトレット・ダクトによってエンジンの熱を効果的に排出している。また、燃料タンクは18Lの容量をもつ軽量なアルミ製を採用するとともに、ライダーの体重移動や挙動に対しても、操縦しやすい形状としている。ざらに、エンジンの後部2気筒のプラグ交換などを容易にするため、タンク後端を中心として起こせる構造とし、メンテナンス性にも配慮している。
さらに、スピードメーターは、針ぶれの少ない軽量・コンパクトなアナログタイプの電気式スピードメーターに、リアルタイムに水温を表示する高精度なデジタル水温計を組み合わせて装備し、ライダーがマシンの状態を瞬時に把握できるものとしている。
主要諸元
|