1970年04月28日ニュースリリース
軽量モトスポーツマシン 〈ホンダベンリィSL90〉発売
当社はこのたび、山間原野、砂地、岩場など、ラフロードをダイナミックに走踏するモトクロススポーツにピッタリの、野性味溢れるニュー〈ホンダベンリィSL90〉を開発、販売いたします。
ベンリイSL90
主な特徴
- ■豪快なモトクロスライディングにひときわ冴える新感覚のボディデザイン
- ■新設計の高性能9馬力エンジンを搭載
- ■エンジン性能をフルに発揮する5段ミッションと取扱い易いブライマリーキックの採用
- ■軽量で剛性の高いダブルクレードル型パイプフレーム
- ■適確なハンドル形状にマッチしたシート位置など走行安全性を一段と向上、ラフロードライディングに抜群の威力を発揮します。
この新製品SL90を加え、CB90、CS90からなる、ホンダスポーツマシン90トリオの誕生は、健康で男性的なモータースポーツの醍醐味を一層豊かにいたします。
全国標準現金正価
￥93，000
発売開始日
5月1日
生産計画
月産 6，500台を予定
〔輸出を含む〕
〈新製品ご案内〉
野性味あふれた挑戦的なスタイル！強烈な威力を秘めたメカニズム
ホンダベンリイSL90登場！
ホンダSLシリーズのトップを切り、本格モトスポーツ車として好評の ホンダSL90が ニューエンジンで一段と性能アップ、しかもワイルドなスタイルにデザイン一新して一層たくま しく強烈な個性をもったニューモデルに生れ変りました。
最高出力9馬力、5段ミッション、プライマリーキック付
4サイクルOHC89cc、最高出力9馬力、最大トルク0．75kg－m、圧縮比9．5とこ のクラスでは群を抜くハイ・パフォーマンスです。 どんなきびしい条件でもスムーズで粘り強く、安定した力を示し、荒野にアタックする時、5段ミッションを介してその本領をダイナミックに発揮する本格的なオフザロード主体のマシンです。
新しい感覚でつねに時代をリードするボディデザイン
- ■ダブルクレードル型パイプフレームはビッグマシーンに匹敵する強固なフレーム剛性で、苛酷なモトスポーツにも十分耐えぬきます。
- ■前輪はテレスコピックオイルダンパー式で、ボトムケースは豪華なアルミ合金製を使用し、後輪はスイングアーム鋼管式で、ともにクッションストロークを長くとり、適切なアライメント、十分な地上高、大径タイヤ、アップフェンダーなどとあいまって、ずばぬけた不整地走行性能 を発揮します。
- ■適確なハンドル位置、Y型スタイルのタンクと低いシートなど、ライディングポジションの徹底した追求が 豪快なスクランブル走行にピッタリマッチした斬新なデザインを生み出し、そのまま安全性にもつながる人間工学設計です。鮮やかなカラーリングを採用、純白のストライプが原野を駆ける躍動感を象徴しています。
〈ご参考資料〉最近の2輪車の状況について
- ○当社の創業以来の2輪車総生産台数は、1300万台を突破いたしました。13，281，006台…（45年3月末の生産累計）これは1社での生産高としては、世界最高でございます。
- ○最近の当社製品の需要は、国内外ともに、極めて旺盛であり、本年1～3月の生産は407，714台（昨年同期比104．5％）さらに4月の生産は、過去最高の16万台を計画いたしております。
- ○輸出においても、本年1～3月の輸出高は278，087台（昨年同期比105．7％）となっており、本年度の輸出は、過去最高の実績に達することが予想されます。
当社2輪生産台数推移
| 総生産 |
内輸出向生産 |
業界総生産 | |
| 40年 | 1,465,762 | 597,294 | 2,176,855 |
| 41年 | 1,422,949 | 558,084 | 2,413,388 |
| 42年 | 1,276,203 | 602,533 |
2,207,163 |
| 43年 | 1,349,896 | 818,685 | 2,234,048 |
| 44年 | 1,534,882 | 851,237 | 2,568,405 |
| 44年1～3月 | 390,184 |
262,885 | |
| 45年1～3月 | 407,714 | 278,087 |
○海外、とくに欧米では2輪車が
（1）通学・通勤の主要交通機関として
（2）キャンピングカー・トレーラーなどに搭載した目的地でのオフロード利用
（3）不良化防止に直結できる青少年層の健康的・教育的のりものとして
（4）大排気量車は、老若男女をとわず、一般公道を4輪車と同様に、整然と走行
などの傾向がみられています。
昭和45年4月
本田技研工業株式会社・広報室
外観四面図
ホンダベンリイSL90 諸元表
| 寸法m | 全長 | 1.915 | |
| 全巾 | 0.810 | ||
| 全高 | 1.090 | ||
| 軸距 | 1.255 | ||
| 最低地上高 | 0.195 | ||
| 重量kg | 車両重量 | 96 | |
| 乗車定員(人) | 2 | ||
| 性能 | 最高速度(km/h) | 95 | |
| 舗装平坦路燃費率(km/L) | 80(30km/h) | ||
| 登坂能力 | 0.46 | ||
| 最小回転半径(m) | 1.9 | ||
| 制動停止距離(m) | 14(初速50km/h) | ||
| 原動機 | 冷却方式とサイクル | 空冷4サイクル | |
| シリンダー数と配列 | 前傾15°1シリンダー | ||
| 弁配置 | 頭上カム軸式 | ||
| 燃焼室形状 | 半球形 | ||
| 総排気量(L) | 0.089 | ||
| 内径×行程(mm) | 48×49.5 | ||
| 圧縮比 | 9.5 | ||
| 圧縮圧力(kg/cm2) | 12/1,000 | ||
| 最高出力(PS/rpm) | 9.0/9,500 | ||
| 最大トルク(kg-m/rpm) | 0.75/7,000 | ||
| 始動方式 | キック式 | ||
| 点火方式 | バッテリー点火 | ||
| 気化器 | 型式と数 | PW20 1個 | |
| 空気清浄器型式 | 乾式(ウレタンフォーム) | ||
| 燃料タンク容量(L) | 7.5 | ||
| 潤滑方式 | 圧送式 | ||
| 潤滑油容量(L) | 1.0 | ||
| 蓄電池 | 型式と数 | 6N 6-3B-1ケ | |
| 電圧容量 | 6V-6AH | ||
| 動力伝達装置 | 機関から変速機までの機構 | 歯車 | |
| 同上減速比 | 4.055 | ||
| クラッチ型式 | 湿式多板 | ||
| 変速機 | 型式 | 常時噛合式 | |
| 操作方法 | 左足動式 | ||
| 変速比1速 | 2.500 | ||
| 変速比2速 | 1.722 | ||
| 変速比3速 | 1.333 | ||
| 変速比4速 | 1.083 | ||
| 変速比5速 | 0.923 | ||
| 変速機から後車軸までの機構 | チェーン | ||
| 同上減速比 | 3.285 | ||
| かじ取装置 | かじ取角度° | 左右共 45 | |
| 走行装置 | キャスター | 61°25′ | |
| トレール(m) | 0.095 | ||
| タイヤサイズ | 前 | 2.75-19(4PR) | |
| 後 | 3.25-17(4PR) | ||
| 制動装置 | ブレーキの種類型式 | 前 | 内部拡張式 |
| 後 | 内部拡張式 | ||
| 操作方式 | 前 | 右手動式 | |
| 後 | 右足動式 | ||
| 懸架方式 | 前 | テレスコピック式 | |
| 後 | スイングアーム式 | ||
| 緩衝器型式 | 前 | 油圧式 | |
| 後 | 油圧式 | ||
| フレーム形式 | ダブルクレードル | ||
| 灯火 | 前照灯 | V-W | 6-25 25 |
| 尾灯 | V-W(色) | 6-3(赤) | |
| 兼用灯火 | 番号灯6V-3W(白) | ||
| 制動灯 | V-W(色) | 6-10(赤) | |
| 方向指示器 | 種類形式 | 電磁熱線式 | |
| V-W(色) | 6-8(橙) | ||
| 計器等 | 警音器型式 | 電気式平型 | |
| 速度計型式 | 過流式 | ||
| 後部反射器 | 型式 | RR30(尾灯組込) | |
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