ラスクが2戦連続3位入賞!
猛追のラ・ロッコが4位

地元で力強い走りを見せたラスク
|
インディアナポリスまでの6連戦を消化した後、開幕後初めてのインターバルを置き、第7戦アトランタを迎えた。ジョージアドームで開催されるこのレースの特徴は、アメリカ南東部特有の赤土で造成されたコースにある。この赤土は軟質なため轍やギャップができやすく、荒れたコースに対するライダーの習熟度が鍵となる。
ポイントリーダーのカーマイケルや、地元ジョージア出身のラスクにアドバンテージがあるコンディションだったが、ヒート1ではトーテリが1位、ヒート2ではラスクが2位で決勝進出を決めるなど、チームHondaは順調に予選をこなしていた。中でもラスクの走りには、昨年を上回る65,461人という大観衆の声援が注がれ、決勝での活躍に対する期待が高まる一方だった。
ホールショットはマクグラスが取った。並んで2コーナーに突入する、ラスクとカーマイケル。ここにフェリーが割って入り、決勝はスタート直後から激しい攻防が繰り広げられた。オープニングラップを終えて、やや縦にばらけたトップグループは、カーマイケル、フェリー、マクグラス、ラスクという順。トーテリは8番手、ラ・ロッコは11番手だった。
5周目、ラスクがフェリーをかわして3位に浮上、2位のマクグラスを追う。出遅れていたトーテリも7周目には5番手、9周目には4番手とポジションを挽回。だがトーテリは、追撃中に転倒車をかわしきれずに接触した際に、チャンバーを潰して走行不能に陥り、リタイアを喫してしまった。
中盤以降は、カーマイケルが4〜5秒のリードを保って独走し、マクグラスとラスクが間隔を置いて追走する展開となった。だが、レースが大詰めを迎える頃になると、荒れるコースコンディションに上位のペースが落ち、マクグラス、ラスク、そして4位に浮上してきたラ・ロッコが急接近する。最後まで予断を許さない2位争いとなったが、大波乱は起きず。4連勝のカーマイケルに続き、マクグラス、ラスク、ラ・ロッコの順に僅差でチェッカーが振られた。

2戦連続3位入賞のラスク(右)
|
E.ラスク(3位)
今回はとっても大切にしたいと思っていたレースだった。アトランタは地元ジョージアのファンが大勢来てくれるラウンドだけれども、去年はケガで走れなかったでしょう。だから今日会場入りするときも、ジョージアドームの建物を前にして「あぁ帰って来れたなぁ」って感慨深いものがあった。もちろん優勝できたら最高だったけれども、走りの内容は悪くなかったと思う。特に最後の2周はエキサイティングだった。マクグラスを追い詰めて、あと少しで抜けるところだったけれど、届かなかったのは序盤の自分のスピードに原因があったと思う。スタート直後の何周かであのペースを出せていたら、今夜は優勝できていたはずだ。ラ・ロッコが真後ろまで迫っていたけれど、レース中はそれが誰なのか知らなかったほど前のマクグラスに集中していた。終盤になって周りのペースがずいぶん落ちたのは、みんな轍に苦労していたんだと思う。轍が得意な自分でさえミスをしたし、こんなコースではミスをしなかった者が勝つ。今回はそれがリッキーだったわけだ。第4戦で肋骨に入れたヒビも治ったし、第5戦でエンジンのセッティングを変えてからは、とてもスムーズに走れるようになってきている。今は100%のコンディションでレースに臨めることを神様に感謝しつつ、優勝に必要な何かを日々の練習で積み上げるだけだ。

ラ・ロッコは得意の追い上げで4位
|
M.ラ・ロッコ(4位)
スタートが最悪だった。それがすべて。今回のコースレイアウトは、スタートゲートから1コーナーまでがすごく長くて、自分としては不得意な部類ではあったね。短い方が好きだから。いつもこんなコメントで申し訳ないが、今回は出遅れただけじゃなくて、2コーナーのイン側で前がスタックしたのが痛かった。序盤は片っ端から抜いて行くのが仕事で、レースを楽しめたのは終盤になってからだったね。ラスクを捕まえて、もう少しで抜けるところだった。ラスクのすぐ前にはマクグラスもいたし、トップのカーマイケルだって、あと4秒ぐらい。みんな疲れてペースが落ちているように見えたし、自分は全然疲れていなかったから、あと何周かあったら悪くても表彰台はゲットできたはずだ。骨折している足の指は、ドクターによると80%まで回復しているらしい。痛みはもうないし、走る際にも問題はない。このまま手術もギプスもせずに、参戦を続けながら治すつもりだよ。
|