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BARホンダ、ニューマシンを正式発表 (2000年1月24日
於:ロンドン)


ラッキーストライク・レイナード・BARホンダのニューマシン発表会が、ロンドン中心部に世界中のプレス関係者を集めて盛大に行われた。
会場となったクイーン・エリザベスII国際会議場の舞台に初めて姿を現したのは、2000年シーズンを戦うマシン、BARホンダ002。ジャック・ビルヌーブとリカルド・ゾンタがベールを外すと、周りを取り囲んだカメラマン達から数百のフラッシュが焚かれた。その後、イギリス・日本を始め21ヵ国からやってきたジャーナリストたちと二人のドライバーとの質疑応答に移った。壇上では今回契約を交わしたばかりのテストドライバーのダレン・マニング、そして開発ドライバーのパトリック・ルマリエも紹介された。
マネージング・ディレクターのクレイグ・ポラックは、「ホンダという強力なパートナーを得て、我々は2000年に向けて新たな出発をする。その象徴がここにあるニューマシンである」と、コメント。また、「ホンダは勝利という目標のために、技術の粋を惜しみなく注ぐ企業である。彼らとのパートナーシップが始まって以来、本拠地のブラックリーで働く全員が素晴らしい影響を受けている。勝利への情熱がまたたく間に浸透したのだ。そしてそこに豊富な知識・経験、さらにハングリー精神という、これ以上は望めないほどの強力な要素が加わった」と語った。
コ・ディレクターのアドリアン・レイナードも、ポラックと同じ印象を抱いている。「ホンダは、モータースポーツというものを非常に深く理解している。そのことは、アメリカのチャンプカーで5年間共に協力し合い、素晴らしい成果を上げたことからも明白だ。
今回、ホンダとブリティッシュ・アメリカン・レーシングのパートナーシップの中で、デザインとエンジニアリング両部門で自由な情報交換をすることがスムーズに決まったのもその経緯からすれば何ら驚くべきことではない」。
今回のF1参戦に際して、ホンダは若い伸び盛りのエンジニアを多数プロジェクトに組み入れた。それがいかに価値あることか、プロジェクトリーダーの保坂武文はこう説明する。 「若手のエンジニアたちにF1の素晴らしさを知って欲しかった。そのために参戦の発表後すぐに、我々は募集を始めた。それは多くの反響を呼び、選ばれたエンジニアたちが現在BAR、HRD、そして日本に分かれて作業を続けている。彼らは新たなチャレンジ・スピリットをもたらしてくれたし、このプロジェクトに携わることに非常に興奮している」。
若手の育成という点では、ブリティッシュ・アメリカン・レーシングのチーム哲学もホンダとよく似ている。「チーム立ち上げの時点から、我々は若い才能を積極的に登用してきた」と、アドリアン・レイナードは語る。「彼らは必ずしもF1、あるいはモータースポーツ経験者ばかりではなかった。しかし彼らの未来に投資するのがいかに大事なことかは、ずっと理解して来たつもりだ。このスポーツの将来、そして特に我々のチームの成功のために彼らは欠かせない要素なのだ。昨年1年間で、彼らは急カーブを描いて進歩した。知識、経験の両面で多くを学んだし、今も学びつつある。それは将来、彼らの大きな財産となるはずだ。我々と共に成長して行って欲しい。そして近い将来訪れる勝利を一緒に分かち合うことを、私は望んでいる」。
2000年シーズンは、BARホンダという若いチームにとって新たな一章となる年である。関係者全員にとって、エキサイティングなシーズンになることは間違いないだろう。
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