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THIS AND THAT

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レポート:柴田久仁夫     

 
 
第3戦 サンマリノGP


●ジャック・ビルヌーブのひとりごと 

THIS AND THAT

 ヨーロッパに戻って来て最初のレースで、開幕戦に続くポイントを上げられた。
これって今後の展開から言っても、すごく意義の大きいことだとだと思うよ。しかもタイトルを争うフェラーリとマクラーレンの次で、チェッカーを受けたんだから。

 確かに今の時点では、彼らが壊れなければ表彰台には上がれない。でも決して追いつくのが不可能なほど、(この2チームが)遠く離れたところにいるんじゃないこともよくわかった。たとえば今回ブレーキが不調じゃなかったら、3位4位を走ってたクルサードとバリチェロには十分追いつけてたからね。

 BARとホンダの協力関係は、今最高にいい雰囲気なんだ。みんなが努力したことが、具体的な成績となって報われてるからね。1年前は全然そんなことなかった。去年の今頃のことをを思うと、ウソみたいだよ。今後エンジンもシャシーも、開発のスピードはどんどん上がって行くと思う。

 ぼくらの当面のライバルは、ラルフ・シューマッハになると思うな。開幕前のテストでは、それほどの速さは感じられなかった。ところがオーストラリアでいきなり表彰台に上がったし、ブラジル、サンマリノでは予選で相当の速さを見せてる。まだ信頼性の面で問題があるけど、ラルフの成長は著しいからね。それになんと言っても、ウィリアムズの底力は侮りがたい。彼らも含めて、毎GPでかなり激しいバトルが展開されることになるだろうね。


●FIAの緊急措置 

 「昨シーズン、レギュレーションで禁じられているトラクションコントロールを使用したチームがあった」。

 F1GPの統括組織であるFIA(国際自動車連盟)のマックス・モズレイ会長が、サンマリノGPの特別会見で行なった異例の発言が、大きな波紋を呼んでいる。F1では年々、進化する電子制御システムを使用して、レギュレーションの網をくぐろうという試みは絶えない。モズレイ会長はそれを激しい口調で告発。そして再発を防ぐために、かなり大胆なレギュレーション改定を決めたのだ。

 内容をごくかいつまんで言えば、FIA側が簡単にチェックできるように、チームの使う電子制御プログラムをごく単純化してしまおうというものだ。その規制はマシン全体に及ぶものだが、特にエンジンへの影響が大きい。具体的には、電子制御に必要なソフトウェアの制限である。今のF1テクノロジーでは、点火時期調整や燃料噴射などは、V10エンジンの各気筒ずつの制御も可能だという。そういった複雑な制御を単純化、さらにこれまで無制限に許可されていたソフトウェアの更新(バージョンアップ)の回数も、各GPで1回までにする、というものだ。
また、ピットレーンを速度制限以内で走るための制御も禁止。今後は、ドライバーがメーターを見ながら走ることになる。

(株)本田技術研究所 マネージング ダイレクター
●保坂武文のコメント 
 「規制の精神自体には、賛成です。決められたレギュレーションの枠内で競争することが、レースの大原則なんですから。しかしエンジニアたちが十把ひとからげに疑われて、こういうタガをはめられてしまうことは、非常に心外ですね。
それに何より、F1GPは技術の面でも世界最高のレースであるべき。その意味でも、残念な決定ではあります。

 影響はとても大きいですよ。各チームとも、パワーはかなり落ちるでしょう。
ドライバビリティも燃費も悪くなる。それらを細かく制御していた電子制御に大幅な制限が加えられますからね。しかも次のイギリスGPまでにそれらの対策をすべて施さないといけない。相当の混乱が生じるかもしれません。

 でも我々はニューバージョンを投入することを決めましたし、規制対策との両立は十分に可能です。かなり時間との競争になりますけどね」。