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レポート:柴田久仁夫     

 
 
第12戦 ハンガリーGP

(株)本田技術研究所 マネージング ダイレクター
保坂武文のひとりごと 

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 ジャックの、レースでの驚異的なハイペースを思い出すにつけ、「あれが予選段階からできていたら」という悔しさでいっぱいです。ここはモナコと同じくらい抜きにくいサーキットで、それなのにジャックは繰り返し、1コーナーで先行するクルマを抜き去って行った。序盤のアクシデントも残念でしたが、予選グリッドがもっと前だったら、とほんとに残念ですね。

 あのセッティングは、予選後スタッフが徹底的にデータを解析して見つけ出してくれたものです。フリー走行、予選と、去年のマシンより1秒以上も遅い状態だった。重心が低くなり、マシンの回頭性も良くなってる。エンジンはもちろん比べ物にならない。それなのに一体どういうことだ、となったわけです。もともとファクトリーでシミュレーションを行なってきたのですが、そこで「おかしい」というのが見つけられなかった。

 実は今もって、完全にはその原因が突き止められていない。しかしリヤサスのセッティングを見なおすなど、いちかばちか変えてみたセッティングが見事に当たりました。原因はいろいろ複合しているはずです。このマシンはもともと、ちょっとした入力の変化に非常に敏感で、挙動特性が大きく変わってしまうんです。高速コースでは、まだある程度ごまかしが効きますが、低速ではその弱点がもろに出てしまう。

 今回のことは、今後必ず活かして行くつもりです。今年で言えば、マレーシア・セパンサーキットの低速セクション、そして来年のマシン作りにも活かして、オールラウンドのマシンを作り上げますよ。