Barca Reportage 写真:大野晴一郎
「ウイングフォルム」の採用により、スリム感が強調された新型船外機 BF250。エンジンカバー上部の両サイドにエアインテークが設けられた。
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BF250をマウントした第八幸丸。船長は内海修一氏。
BF250をマウントした第八幸丸。船長は内海修一氏。
VTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)やBLASTの採用により、トルクフルな走りを見せるBF250。
VTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)やBLASTの採用により、トルクフルな走りを見せるBF250。
排気量が3.6Lに拡大されたV型6気筒VTECエンジンが、エアインテーク付きのエンジンカバー内部に収まる。
排気量が3.6Lに拡大されたV型6気筒VTECエンジンが、エアインテーク付きのエンジンカバー内部に収まる。
BF250は米国のマリントレードショー「IBEX2011」において「IBEX2011イノベーションアワード」の船外機部門を受賞。
BF250は米国のマリントレードショー「IBEX2011」において「IBEX2011イノベーションアワード」の船外機部門を受賞。

2011年11月10日、Hondaの4ストローク船外機、BFシリーズの新たなフラッグシップモデル、BF250(250馬力)が発表された。これによりBFシリーズのラインアップは、2馬力から250馬力までの20機種が揃ったことになる。
1964年に初代船外機のGB30を発表して以来、創業者である本田宗一郎が唱え続けた「水上を走るもの、水を汚すべからず」という信念は脈々と受け継がれ、このBF250も最新のEPA(米国環境保護庁=Environmental Protection Agency)規制(2010年度)、および米国カリフォルニア州大気資源局(CARB =California Air Resources Board)の排出ガス規制に適合し、さらには国内自主規制値を大幅に下回る高い環境性能を実現しての登場となった。

耐久性と経済性について、漁業関係者などのヘビーデューティー・ユーザーから高い評価を得ている先代フラッグシップモデルのBF225(225馬力)は、今後もBF250に次ぐ大型船外機として継続生産されるが、この機種もまた米国カリフォルニア州大気資源局の2008年度排出ガス規制値を早々とクリアして、2001年の11月に発売された。さらに2009年6月にはHonda独自の加速性能向上技術「BLAST」機構を採用したマイナーモデルチェンジが行われたのは記憶に新しい。
つまりHondaの船外機は、どの時代も環境性能を極めて登場してくるわけで、そのことこそがGB30の発売以来、47年間にわたって受け継がれてきたHondaの伝統なのである。

BF250に搭載されるエンジンは、BF225に使われる3.5L V型6気筒VTECエンジンをベースに新開発され、排気量が3.6Lに拡大された。外観はHonda独自の船外機デザインである「ウイングフォルム」によってスリム感が強調されているが、エンジンカバー上部両サイドに設けられたエアインテークが目を引く。フラッグシップモデルをシンボライズしたこのエアインテーク、迫力があるし恰好が良い。重要なのは、このエアインテークが、単なる見た目だけのものではなく、船外機では世界初となるダイレクト吸気システムという技術の実現に大きな役割を果たしていることだ。
ダイレクト吸気システムとは、こういうことだ。
エアインテークから取り入れられた外気は、エンジンカバー内の流路で吸気中の水分を分離後、エンジンに送り込まれる。従来の船外機における吸気システムに比べ、より低温で高密度な空気がエンジンに供給され、エンジン効率が向上し、高出力化につながるというものだ。また排熱経路も独立して設けられ、エンジン周辺の部品およびACG周辺を循環・冷却後、エンジン上部の冷却ファンにより排出される。

このダイレクト吸気システムにより、BF250は米国のケンタッキー州で開催された米国舟艇工業会(NMMA:National Marine Manufacturers Association)主催のマリントレードショー「IBEX2011」(2011年10月17日〜19日に開催)において、「IBEX2011イノベーションアワード」の船外機部門を受賞した。
またこのBF250 には、アイドリング時充電出力可変機構という、もうひとつの世界初となるシステムが採用されている。これはアイドリング時に艇上の電力需要が増加した場合、ECU(電子制御ユニット)によってエンジン回転数が100rpm自動で上昇し、充電能力が9アンペア(30%)増加するというもの。ちなみに充電性能は12V−60A。
もうひとつ、このエンジンの性能を語るのに忘れてはならないのが、クラストップを達成したクルージング領域における燃費だろう。これはO2センサーを搭載した電子制御燃料噴射装置(PGM―FI)と、クルージング時のリーンバーン(希薄燃焼)制御により実現している。もちろん、Honda独自の「BLAST」も装備され、BFユーザーだけが味わえる圧倒的な加速性能も備わる。

BF250は、BF225が培ってきた耐久性を受け継いだエンジンである。
BF225が漁船や高速巡視船などに搭載されて高い信頼を得てきたのと同じように、BF250もまた、過酷な状況で使われてこそ、その真価を発揮することになるのだろう。
タフな血統への期待は大きい。


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