エンジンの生産工程には「機械加工」と「エンジン組立」があります。機械加工とは、鋳造されたエンジンブロックを加工する工程で、ミクロン(千分の一ミリ)単位の高い加工精度が求められます。
クレア スクーピーのエンジンは、上下二分割されたエンジンブロックで出来ています。そのためドライブシャフトを通すジャーナルも上下に二分割されています。エンジンのパワーをロスなく駆動系に伝えるには、ジャーナルは限りなく真円でなければならなく、その加工精度は誤差が6〜7ミクロン以内という高さが求められます。この精度を保つため、通常はふたつのブロックをボルト締めしたうえで加工し、加工後に再びバラしてエンジン組立工程に送られます。
生産効率が求められる現場の課題は、このボルト締めの工程をなくすこと。二つのブロックを機械で押さえつけて加工できれば、ボルト締めの工程が不要になります。しかし、機械で押さえつけると圧力でブロックが歪み、誤差が6〜7ミクロンという高い加工精度を保つことが難しかったのです。
生産現場では、機械での加工に必要な圧力の調整や圧力のかけ方など、試行錯誤が続きました。そしてたどり着いた結論は、エンジンブロックの強度を保つために「リブ」を入れること。どの位置にどれだけ入れるかなど、設計段階にまで遡って研究をすすめ、ようやく完成したのが、ボルトレス共加工です。この技術はHondaの特許となっています。