ホンダホームページへ
オートモービルズへ
Enjoy Sports Carトップへ
NSX Pressの目次へNSX Press Vol.12の目次へ

R評伝
世界的に名を馳せるモータージャーナリスト、ポール・フレール氏が、ニュルブルクリンクでNSX-Rに試乗したと記せば、前置きをくどくどと述べる必要はないだろう。7月20日午後、ニュルブルクリンク新コースのホームストレート横にある、DORINT HOTELに一同は会し、昼食後、難コースとして名を馳せる、ニュルブルクリンク旧コースへ向かった。そのなかには、フレール氏以外に、やはり欧州モータージャーナリストであるロジンスキー氏の顔も見えた。
充分にウォームアップを済ませた、チャンピオンシップホワイトのタイプRが一同の到着を待っていた。コースの一般車走行が行なわれる5時までの2時間。2氏による旺盛な試乗走行が行なわれた。とくにフレール氏は熱心で、まるでとり憑かれたようにコースインして行った。。あの、剛直なボディを躍らせるようにして走る22kmのスピードランは、かなりハードではないか…。いや、逆に剛直だからこそ、この難コースでは心地よいのだろう。タイプRが、このニュルブルクリンクで鍛えられたのを忘れてはならない。

イメージ「路面がとくにひどく荒れているところでは、多少のリバウンドが起き、トラクションのロスを感じた。しかし、そこまでもタイヤを路面に押しつけるサスペンションでは、通常の走行が思いやられる硬さとなってしまうだろう。リバウンドを感じたのはわずかなところで、サスペンションの挙動はほとんどの悪路で、かなりの高速走行でも、非常に安定した正確な動きを実現してくれた」。フレール氏はひと息入れ、数名の同乗走行をこなしたあと、再びコースへ向かった。
「シートが非常に優れている。腰の部分のサポートがしっかりしており、横Gを楽に受け止めてくれた。また、ステアリングのインフォメーションが優れているので、手のひらを通して正確な情報を与えてくれるため、不安感なくコーナーを攻められる。コントロールフィーリングは忠実という言葉が適当と言えよう。さらにアクセルのレスポンスが良いため、コーナーがどんなに連続していても思い通りのドライビングができる。このコースは、コーナーリング中に起こる激しいアップダウンにクルマが追従できないと、たちまち恐怖のコースとなる。しかし、このNSX-Rは、ニュートラルカーとして、かなり高いレベルの信頼性を提供してくれた。それからあらゆる点でオリジナルのNSXとは違う性能のマシンと言ってもいいだろう。以上のような感触が得られるのは、パワフルでフレキシブルなホンダのエンジンの良さもさることながら、それを搭載するシャーシが完成されているからだろう」
と、ロードインプレッションをフレール氏は語ってくれた。日本の、ほんの一握りのオーナーのためにつくられた限定的なスポーツカーであるタイプRは、世界のトップジャーナリストの称賛を受けた。

イメージその他のフレール氏のインプレッションを紹介すると…クラッチが非常に効率よく切れるダイレクトなフィーリングであること、直進安定性、エアロダイナミクスが熟成されていること、ブレーキの効きがずば抜けていて、たとえこのコースで酷使したとしても充分な信頼性があるだろうということなど。また、さらなる熟成を要すると感じた点として、4速と5速のギャップが予想以上に大きいので、5速を2〜3%減少すべきではないかということ、ギヤのシフトをあと2cm伸ばせばストロークで骨を折ることがなくなるだろうということ、それから、70kmにおよぶ公道ドライブのインプレッションとして、日常の足としては、サスペンションが硬いということを挙げた。
それだけのインプレッションを伝えながら、フレール氏は、さらにコースを走りたいと申し出た。なにしろ、氏のタイプRに対する総合評価が、『ポジティブなピュアスポーツカーである』ということだったのだ。つまり、走る心をくすぐるクルマであるという結論…。そしてスタッフが見守るなか、フレール氏は22kmの何コースへ、5ラップのスポーツドライビングを敢行すべく走りだした。

NSX Pressの目次へNSX Press Vol.12の目次へ

NSX Press vol.12 1993年8月発行
フッタ

サーチへ コンタクトへ フィードバックへ FAQへ ホットニュースへ ホームページへ