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CEOメッセージ

株主の皆様へ 2015年6月にHondaの社長に就任した八郷です。
株主、投資家の皆様には、日頃からのご理解とご支援を賜り、厚くお礼を申し上げます。
また、お客様はもとより、当社の成長、発展を支えてくださっている、お取引様をはじめ、地域社会の皆様にも、心より厚く感謝を申し上げたいと思います。

2015年3月期について

Hondaをとりまく経済環境は、米国では雇用情勢の改善、住宅投資や個人消費の堅調な推移などにより、景気は緩やかに回復しました。欧州においては雇用情勢の緩やかな改善などにより、景気は持ち直しの動きとなりました。アジアの景気においては、インドでは持ち直しの動きがみられましたが、中国では拡大テンポが緩やかに、インドネシアでは拡大テンポが鈍化、タイでは弱い動きとなりました。日本では雇用情勢に改善がみられるものの、個人消費に弱さがみられることなどにより、景気は弱い動きとなりました。

このような中、当年度の連結売上収益は、二輪事業の売上収益の増加や為替換算による売上収益の増加影響などにより、13兆3,280億円と前年度にくらべ6.6%の増収となりました。営業利益は、コストダウン効果や為替影響などはあったものの、品質関連費用を含む販売費及び一般管理費の増加などにより、6,706億円と前年度にくらべ18.6%の減益となりました。税引前利益は、8,062億円と前年度にくらべ13.7%の減益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、5,094億円と前年度にくらべ18.5%の減益となりました。

今後の取り組みについて

2つのテーマのもと、新しいHondaをつくる

私は、社長就任にあたり、これからの新しいHondaを創っていくために2つのテーマを掲げることにしました。1つは、これまで進めてきたグローバル6極体制の進化であり、2つめは、Hondaらしいチャレンジングな商品を開発し、全世界のお客様にお届けしていくことです。そして、これらのテーマを実行するに当たってのキーワードを「チームHonda」としました。

Hondaの強みは、現場で働くアソシエートたちが高い目標を共有して「ひとつのチーム」となり、全員が強い志を持って動き出すときに発揮されます。私は、初代USオデッセイの開発をはじめ、北米、日本、欧州、そして中国とこれまでさまざまな「現場」を経験してきましたが、その経験を通じて、それぞれの個が目的をひとつにして進んでいくことの重要性を学びました。

「チーム」が結果を出すためには、メンバー一人ひとりが意見をぶつけあい、時間をかけて徹底的に議論ができる「現場」をつくることが大切です。また、そこで生まれた気づきやアイデアに従って、「現場」が主体的に動くことができる、ひとことで言うなら、ボトムアップの環境づくりが欠かせません。

アソシエートが生き生きと動き、Hondaらしい個性的な「チーム」ができる「現場」を用意する。それが、社長としての私の役割です。さらに、その「現場」から生まれたチャレンジングな商品を通じ、お客様や、Hondaに関わる人たちすべてが一つの絆で結ばれる。それが、私の考える「チームHonda」が目指す姿です。

グローバル6極体制で進化を続ける

「チームHonda」というキーワードを基礎に、私が掲げた2つのテーマについてご説明します。まず1つめの、グローバル6極体制の進化です。

Hondaは、世界を6つの地域に分け、それぞれの地域が自立した組織として事業運営を行うというマトリックス経営体制をとっています。このグローバル6極体制のもとで、各地域の生産能力は整い、販売はもとより開発・調達機能も構築されてきました。北米をはじめアジアや中国では、地域専用モデルを開発し、生産・販売を行うまでになっています。

しかし、四輪事業について言えば、市場や経営環境の変化により、販売が当初の予定通りに推移しなかった地域もあります。その一方で、各地域の生産拠点への投資は計画に沿う形で進んだため、グローバルに見ると生産能力が過剰となり、収益に影響を及ぼす結果となってしまったという反省もあります。

従って、今後のステップとしては、各地域主体で拡充した生産能力をグローバルに俯瞰し、能力を柔軟に活用することによって、6極体制のさらなる進化を目指す必要があります。それには、グローバル本社のオペレーション機能を高め、Hondaが得意とするフレキシブルな生産方式を活用しつつ、地域の動向をグローバルに見据えた、柔軟な相互補完を構築していかなければなりません。

直近の取り組みとして、北米向け「フィット」の一部と、欧州向け「ジャズ」を日本から供給することにしました。また、欧州で生産する次期「シビック」の5ドアモデルを欧州以外の地域にも供給し、カナダ生産の「CR-V」は、欧州でも販売することになります。6極体制の進化とは、相互補完機能を備えた柔軟な生産・供給システムをつくっていくことです。

新規の生産拠点としては、2015年7月に、ナイジェリアの二輪車工場内に組み立てエリアを設け、タイから部品を供給するセミノックダウン方式での「アコード」の生産を開始しました。年間1,000台レベルと、四輪車のビジネスとしては小さな一歩ですが、今後お客様とともに、アフリカの大地を着実に歩んでいきたいと思います。

このように、今後は6極体制を「チーム」として機能させて行くことが、進歩の鍵になってくると考えます。

チャレンジングな商品を世界中に届ける

次に、2つめのHondaらしいチャレンジングな商品を開発し、全世界のお客様にお届けしていくことについて、いくつか具体的な取り組みをご紹介します。

「Hondaらしいチャレンジングな商品」とは何か。それは、今までにないような技術を備えた、お客様に喜びや感動を提供できる商品であり、これまでに申し上げたような「チーム」が一丸となって徹底的に考え抜いた上で、初めてご提供が可能になるものです。

2015年4月に発売した「S660」は、若いアソシエートの「こんなスポーツカーをつくりたい」という提案から「チーム」が生まれ、その「チーム」がカタチにしたクルマです。また、30年近く空への夢を追い続けた航空機の研究が、ジェットエンジン「HF120」、そして、ビジネスジェット機「HondaJet」として実を結び、お客様の手に届けられる日が近づいています。こうした商品こそ、今までにない技術にこだわり、「チーム」が共通の目標を抱き、一丸となってじっくり取り組んだ好事例です。

私は、こうした「Hondaらしいチャレンジングな商品」を生み出すことに引き続きこだわっていきます。四輪車では、グローバル基幹車種である「シビック」が、2015年秋から北米を皮切りに新型へのモデルチェンジとなります。この新型「シビック」には、新しいプラットフォームとダウンサイジングターボエンジンが採用されており、この技術は、今後も他のモデルに適用を拡大していきます。

また、「シビック」に続くグローバル基幹車種である「CR-V」と「アコード」のフルモデルチェンジも、さらなる新技術、競争力、先進のデザインを持った魅力的な商品として、順次、市場に投入していきます。ぜひ、ご期待ください。

次世代エネルギー領域では、燃料電池自動車「クラリティ」の後継車を、2015年度中に日本で発売することを目指します。次世代のモビリティとして、この燃料電池自動車を頂点に、「電動化技術」を核とした商品を展開していく予定です。

また、二輪事業では、デュアルパーパスモデル「CRF1000L アフリカツイン」を、2015年末の欧州を皮切りに、日本、北米などで順次発売していきます。このほかにもHondaらしさを体感できる商品が登場を待っているところです。

汎用パワープロダクツ事業では、脚力が低下した方の歩行をサポートするための、「歩行アシスト」の研究・開発を続けています。歩行訓練機器として、法人様を対象にしたリース販売を、2015年11月より開始する予定です。

二輪車・四輪車・汎用各領域の「チームHonda」が、これまでにないようなアイデアと技術を備えた、チャレンジングな商品を次々に生み出す。私は、今後もお客様に喜びや感動をご提供するために、そうした企業風土つくりに誠心誠意取り組んでいきます。

株主の皆様への利益の還元

Hondaは、グローバルな視野に立って世界各国で事業を展開し、企業価値の向上に努めています。成果の配分にあたっては、株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要課題のひとつとして位置づけており、長期的な視点に立ち連結業績を考慮しながら配当を実施するとともに、資本効率の向上および機動的な資本政策の実施などを目的として、自己株式の取得も適宜実施してまいります。

当年度の配当金につきましては、期末配当金を1株当たり22円、年間配当金では、第1四半期末配当金22円、第2四半期末配当金22円、第3四半期末配当金22円と合わせ、88円といたしました。

次年度の配当金の予想につきましては、各四半期末における配当金を1株当たり22円、年間では88円としています。今後とも株主の皆様のご期待に沿うべく努力をしてまいります。

Hondaは、働く一人ひとりが、高い志を持ち、お客様の喜びの実現という夢に向かって、常により良い明日を見つめて進歩と成長を望み、未来を開拓している企業です。その私たちが今、目指しているのは「世界中から存在を期待される企業」です。これからも夢を力に、社会の期待に応え、お客様に喜び、感動、満足を提供するために、Hondaらしい先進創造にチャレンジしてまいります。

株主ならびに投資家の皆様には、今後も長期にわたり、Hondaの事業運営に対するご理解、ご支援をいただけますよう、心よりお願い申し上げます。

2015年7月6日
代表取締役社長
八郷 隆弘