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CEOメッセージ

株主の皆様へ 株主、投資家の皆様には、日頃からのご理解とご支援を賜り、厚くお礼を申し上げます。
また、お客様はもとより、当社の成長、発展を支えてくださっている、お取引様をはじめ、
地域社会の皆様にも、心より厚く感謝を申し上げたいと思います。

2016年3月期について

Hondaをとりまく経済環境は、米国では、雇用情勢の改善、住宅着工の緩やかな増加、個人消費の増加などにより、景気の回復が続きました。欧州においては、雇用情勢や個人消費の改善などにより、景気は緩やかに回復しました。アジアの景気においては、インドでは緩やかに回復、中国では緩やかに減速、インドネシアではやや減速、タイでは減速しました。日本では、雇用情勢の改善傾向、設備投資の持ち直しの動きなどにより、景気は緩やかな回復基調が続きました。

このような中で、当社グループは、お客様や社会の多様なニーズの変化に迅速かつ的確に対応するため、企業体質の強化に努めてまいりました。研究開発面では、安全・環境技術や商品の魅力向上にむけた先進技術の開発に積極的に取り組みました。生産面では、さらなる生産体質の強化や、グローバルでの需要の変化に対応した生産体制の整備を行いました。販売面では、新価値商品の積極的な投入や、国を越えた商品の供給などにより、商品ラインアップの充実に取り組みました。

その結果、当年度の連結売上収益は、四輪事業や金融サービス事業の売上収益の増加などにより、14兆6,011億円と前年度にくらべ9.6%の増収となりました。営業利益は、売上変動及び構成差に伴う利益増やコストダウン効果などはあったものの、品質関連費用を含む販売費及び一般管理費の増加や為替影響などにより、5,033億円と前年度にくらべ24.9%の減益となりました。税引前利益は、6,354億円と前年度にくらべ21.2%の減益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、3,445億円と前年度にくらべ32.4%の減益となりました。

推進テーマの進捗

私は社長就任時より、「グローバル6極体制の進化」と「Hondaらしいチャレンジングな商品の開発」という2つのテーマを掲げ、それに基づく取り組みの検討を進め、実行に移してまいりました。

グローバル6極体制のさらなる進化

Hondaは、世界を6つの地域に分け、各地域が自立した組織として事業運営を行っています。四輪事業では、北米での「Pilot」やアジアでの「Brio」シリーズといった「地域専用モデル」が、現地のニーズを基に生まれ、各地域の成長を支えています。一方、Hondaには、「Civic」、「CR-V」、「Accord」、「Fit」、「HR-V」といった、地域を問わず、世界中での販売を目指して開発されるモデル、「グローバルモデル」も存在します。この、「地域専用モデル」と「グローバルモデル」が、世界中の市場で商品のラインアップをつくりあげていることが、Hondaの強みでもあります。

「グローバルモデル」では、「Civic」が2015年11月に、北米でフルモデルチェンジを迎えました。新しい「Civic」は、優れた走行性能を実現する新型プラットフォームに加え、ダウンサイジングターボエンジンを採用。北米のメディアやお客様から高い評価を頂き、2016年1月には「North American Carof the Year」を獲得しました。タイや中国でも、大変好評を頂いており、日本でも、こうした「グローバルモデル」の投入で、商品ラインナップの強みを一層活かすべく、出来るだけ早い時期に販売を開始する予定です。

Hondaらしいチャレンジングな商品の開発

2015年12月より、Hondaにとって新たなモビリティとなる「HondaJet」は、お客様へのお届けが始まっています。また、日本で法人様向けにリース販売を開始した歩行訓練機器「Honda歩行アシスト」については、まず、日本での事業を軌道に乗せ、海外での事業展開も視野に入れた準備を進めていく予定です。

一方、地球規模での気候変動への対応や、交通社会における安全性への要望が世界的に加速するなど、企業を取り巻く環境の変化も認識しておかねばなりません。

地球規模での気候変動への対応としては、二酸化炭素排出ゼロ社会の実現に向け、2050年の二酸化炭素総排出量を2000年比で半減することを目指しています。

そして、その実現のために不可欠なものが電動化技術の普及です。

四輪事業では、2030年をめどに、商品ラインナップにおける、販売数の3分の2をプラグインハイブリッドとハイブリッド、そして排出ガスゼロの車に置き換えることを目指します。その中でも特に、プラグインハイブリッドを電動化の中心と定め、2017年中に北米で新モデルを発売、次いで、主要モデルへの設定を順次進めるとともに、各地域へ展開を図っていきます。同時に、電気自動車や水素をエネルギー源とする燃料電池自動車といった排出ガスゼロの車の普及拡大も継続して進めます。米国ゼネラル・モーターズと共同開発している次世代型燃料電池システムについても、開発は順調に進んでおり、2020年頃の商品化に向けて、次のステージに移行していきます。

二輪事業では、電動二輪車「EV-CUB Concept」をベースにした「EV-CUB」を2018年を目処に日本を皮切りに発売、その後、アセアン主要国に導入し、電動二輪車の普及に挑戦する予定です。

さらに、汎用製品においても電動化を進め、電動芝刈機や自動運転芝刈機、そして蓄電機など、電動商品の拡大を行います。

次に、交通社会における安全性への対策ですが、Hondaは、事故ゼロ社会の実現に向け、道を使うすべての人が安心して暮らせる「事故に遭わない社会」を目指し、様々な安全運転技術の研究・開発を行っています。

そうした取組みの成果の一つが、現在、積極的な採用を進めている、先進安全運転支援システム「Honda SENSING」です。これは、レーダーとカメラによる精度の高い検知能力を備え、前を走る車や対向車、歩行者との衝突回避をサポートするブレーキなどにより、事故を未然に防ぐシステムです。今後も、日本での採用車種を順次増やす一方で、米国でも「Civic」に採用するなど、グローバルでも積極的に展開してまいります。

さらに、こうした安全運転支援技術の進化の先に存在する自動運転技術については、2020年頃をめどに、高速道路における実用化を目指し、それをつかさどる、人工知能も含めた様々な技術の研究、開発を進めて行く予定です。

「The Power of Dreams」。この「夢の力を原動力に」という想いをHondaに関わる全員が常に心に留めながら、一丸となって夢の実現を目指しています。「チームHonda」の力を最大限に発揮し、改革に取り組んでまいります。

株主ならびに投資家の皆様には、今後も長期にわたり、Hondaの事業運営に対するご理解、ご支援をいただけますよう、心よりお願い申し上げます。

2016年6月16日
代表取締役社長
社長執行役員
八郷 隆弘