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  • 2018.05.23

手作り巣箱を森に設置して、
シジュウカラやフクロウなどの生きものたちの営みを見てみよう!

森の達人
森の達人より
 こんにちは!Hondaのサーキット場「ツインリンクもてぎ」内の自然体験施設であるハローウッズで、キャストリーダーを務めている和田です。これから森の楽しさをみなさんにお届けしていきます!
 春から夏にかけては、野鳥たちの子育ての季節!木の枝や草むら、ササ薮の中など人目に付きにくいところに巣を作ったり、ツバメのように堂々と軒下に巣を作ってヒナを育てたりと、その方法も様々。
 ハローウッズの森にも多くの野鳥が生息していますが、木に掛けてある巣穴がおよそ3cmほどの巣箱を利用して子育てをするのがシジュウカラやヤマガラです。繁殖期の巣箱を観察していると、巣材やエサを頻繁に運ぶ親鳥、巣立つヒナの姿など、森の野鳥たちの営みを見ることができます。
和田 誠
ハローウッズ
キャストリーダー和田 誠
ツインリンクもてぎの自然体験施設
「ハローウッズ」へ行ってみよう!

森の間伐材から作る手作り巣箱。

巣箱を利用する鳥たちは、本来、樹皮がはがれて木の中が腐るなどして隙間や空間ができた木の穴、樹洞(じゅどう)を使って子育てをします。樹洞は比較的大きな木にできますが、ヒトの生活域の広がりとともに大木のある森林も数を減らしています。
一方、ハローウッズでは森の手入れとして、毎年クヌギやコナラ、ヤマザクラなどの広葉樹を間伐(樹木の生育を促すために間引く伐採作業のこと)しています。その際に出た間伐材を、HondaWoods(Hondaの生産工場や研究所などの事業所を取り囲んでいる森)とともに活用して巣箱を製作し、実際に森に設置しています。
また、Hondaのファン感謝祭である「エンジョイホンダ」やハローウッズでのワークショップでは、子どもたちが主役となって巣箱作りを体験しています。簡単に手作りできる巣箱は、木に掛けることで、自然の樹洞の役割を果たし野鳥たちの子育ての手助けとなるのです。

私たちが巣箱を掛けるときに心がけているポイントはここ!

  • 12月から遅くても翌年2月までには掛ける。
  • 天敵のヘビなどに襲われにくくするために、 巣箱の下の幹に枝があったり、枝に乗せるようには掛けないようにする。
  • 高さはネコや人の手が届かない高さ、2.5~3m位にする。
  • 出入りしやすく、非常時にも逃げやすくなるよう、入り口は開けた方向を向くようにする。
  • ヒナが巣立った後には、長持ちするように巣箱を外してお掃除やメンテナンスをする。そうすることで冬にまた掛けることができる。

HondaWoods、ハローウッズの森に集う野鳥たちの巣作り。

それでは、実際に巣箱の中に巣ができるまでの流れを見ていきましょう。シジュウカラやヤマガラは、繁殖期以外は午前中朝早くや、夕方に主に活発に活動しますが、子育ての時期は一日中大忙し。巣作りのための材料を見つけては運び、巣を整えていきます。
まず土台となるコケを積み上げたあと、ウサギなど動物の毛や、スギやヒノキの皮を集めます。それらを細かく裂いたものを敷き詰めてフワッフワの卵を産む場所を作ると、お椀型の巣が完成!
そしていよいよ産卵。シジュウカラで7~10個、ヤマガラで5~8個の卵を産み、メスがおよそ2週間ほど卵を暖めるとかわいいヒナが誕生します。その間、オスはメスにイモムシなどのエサを運んだり、巣の周りを見守ったりと子育てに協力的です。

野鳥、そして森の生きものたちの営みを、見て、知って、学ぼう。

ヒナがかえると親鳥はエサを与えに何度も何度も巣を往復します。エサとなるのは小さな昆虫が主。ツバメの巣を見ていると、飛んでいるハエやガなどを捕えてあたえている姿を観察できます。巣箱に出入りするシジュウカラやヤマガラを双眼鏡で覗くと、小さなクモや昆虫、イモムシなどを運んでくるのがわかります。
小さな虫は食べられてしまう分、多くの卵を産んだり、上手に身を隠したりしながら、少しでも生き残って子孫を残そうとしているようにも感じます。
そして野鳥も時にはアオダイショウやカラスなどにヒナが襲われることも。悲しいことですが、自然の中では食べる、食べられるの中でバランスが保たれています。野鳥の子育ての観察からは、そんな学びもあります。

巣箱の中をのぞいてみよう。

ハローウッズでは、一年を通じて季節に応じた様々な生物を撮影し、その生態を調査しています。昨年はある巣箱でシジュウカラの子育てを観察しました。
親鳥がエサをヒナに与え、一羽一羽様子を確かめているような姿や(動画1)、ヒナがエサを食べた後に出したウンチをくわえて持ち出す様子(動画2)などが見られました。
野鳥の巣は、親鳥がちゃんと世話をしながらお掃除もしているのです。

その他、巣箱に関わるこんな生きものたち

小型の巣箱を利用する生きもの
シジュウカラやヤマガラの他にも、巣箱にまつわる生きものたちがいます。
たとえば、日本で一番小さなキツツキであるコゲラ。小さな体で枯れた幹をつついて縦筒状の巣穴を作り、子育てをします。森に巣箱を掛けなくても、キツツキの使った古巣を他の野鳥が利用することもあります。いわば「森の建築家」です。
大型の巣箱を利用する生きもの
穴の大きな樹洞はフクロウやオシドリなど、大型の野鳥が利用します。ハローウッズでは大型の巣箱も掛けていますが、小型の野鳥と同じように春から夏にかけて子育てをする姿が見られます。また通常、野鳥のほとんどが繁殖の時期しか巣箱を使いませんが、冬寒い時期に巣箱を掛けておくとシジュウカラやヤマガラなどが寝床として使うことがあります。
そして、一年中巣箱を使うのが夜行性の哺乳類ムササビです。ハローウッズの森では巣箱を転々と移動しながら日中の寝床として使い、雨や風の強い日、レースでエンジン音が大きい時などは、眠れないのか巣箱から顔を出して外の様子を伺っているかわいい姿が見られます。
ツインリンクもてぎの自然体験施設
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いつでも自由に入って野鳥を観察できる
熊本製作所の森 “HondaWoods熊本”

阿蘇山麓の豊かな自然環境を活かして育てられた森“HondaWoods熊本”。2015年に整備されるまで長く眠っていた草花の種子は、太陽の光を受けて目覚め、スミレなどが花を咲かせました。そこには多くの虫たちが集まり、それを目当てに今回ご紹介したシジュウカラやヤマガラなどの野鳥もやってきました。新緑が心地よい季節、機会があれば足を運んでみてはいかがでしょうか。

本田技研工業(株) 熊本製作所
本田技研工業(株) 熊本製作所

熊本県菊池郡大津町平川1500

TEL:(096)293-1111(代表)

FAX:(096)293-8280

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