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おいしい野菜を育てる土のつくりかた 土をつくる 野菜づくりのスタートは、土づくりから。おいしい野菜を育てる、栄養満点のふかふかな土のつくりかたをご紹介します。

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肥料の使いかた
肥料の三要素
野菜が育つには、土と水だけでなく、養分が必要です。養分は土の中で、“根っこ”がどんどん吸収、また、雨で養分が流れてしまい、土の中の養分が足りなくなってきます。そこで、養分を補給するために肥料を追加で散布しなければなりません。
野菜が必要とする養分の中でも、チッ素(N)、リン酸(P)、カリ(K)は「肥料の三要素」とよばれています。

チッ素(N)
・「葉肥」。葉や茎の生長に必要不可欠。
・葉菜類には多めに与えるとよい。
・発芽後のぐんぐん大きくなる時期にとくに必要。
・過剰に与えすぎると、葉が大きくなりすぎたり、草丈が伸びすぎたりして、
 ひょろひょろの体になってしまうので気をつける。
リン酸(P)
・「実肥」。花や実、“根っこ”の生長に必要不可欠。
・果菜類や根菜類には多めに与えるとよい。
追肥ではなく、必ず元肥で与える。
カリ(K)
・「根肥」。カリウムのこと。
・植物の新陳代謝を促して根や葉をじょうぶにし、病気に強い体をつくる。
・不足すると、葉が黄色くなったり、開花が遅れたりする。

POINT
※成分表示の見かた
肥料の袋に「N−P−K=8−8−8」などと、暗号のような記号が並んでいるのを見たことがあるでしょう。これは、三要素のチッ素(N)、リン酸(P)、カリ(K)がどれくらいの割合で入っているのかを示しています。「N−P−K=8−8−8」の場合、チッ素、リン酸、カリが100g中それぞれ8gずつ入っていることを表しています。


有機質肥料と化学肥料
肥料には、大きく分けると2種類あります。自然界にあるものを原料にした肥料をすべて「有機質肥料」、天然の鉱石や石油から化学的に合成した肥料をすべて「化学肥料」または「無機質肥料」とよびます。

有機質肥料の種類
有機質肥料には、魚粉や骨粉などの動物質肥料、ナタネやダイズなどのタネを搾ったかすを利用する植物質肥料、堆肥緑肥草木灰など自分でつくる自給有機質肥料、鶏ふんを乾燥させたものなどの有機廃棄物肥料が含まれます。
最近では、有機質肥料を効率よく配合した肥料も発売されています。いずれもたくさんの養分を含みますが、効きめが遅いため、多くは元肥として使用します。
[主な有機質肥料]
魚粉
・チッ素分が多く、アミノ酸として吸収される。
・野菜の味をよくする。
骨粉
・家畜の骨を砕いたもので、リン酸を多く含む。
・微生物によって分解され、ゆっくりと吸収される。
ナタネかす
・タネから油を搾ったあとのかす
・チッ素分を多く含み、リン酸も多く含む
<液体肥料として使う場合>
水にナタネかすを1割ほど混ぜて発酵させる。
上澄み液を10〜20倍に薄めて使う。
米ぬか
・リン酸を多く含み、安価。
除草効果もある。
堆肥
・家畜のふんや藁などを発酵させたもの。
・ほかの有機質肥料に比べて栄養素が少ないため、肥料として使うよりは、
 土壌改良に使う場合が多い。
・土の中の微生物を増やし、フカフカでやわらかい土にする。
草木灰
・草や木を燃やしたもの。
・リン酸とカリを多く含む。
石灰分も多いため、酸性の土を中和する効果もある。

化学肥料の種類
化学肥料は、ひとつの養分だけの「単肥」と、複数の養分を含む「複合肥料」があります。一般的には必要な養分を配合した複合肥料をよく使います。化学肥料は養分の濃度が濃く、効きめが早いのが特徴ですが、最近では効きめの速度を調整したものなども増えています。
[主な複合肥料]
化成肥料
普通化成肥料
 チッ素(N)、リン酸(P)、カリ(K)の配合合計が15〜30%のもの。
高度化成肥料
 チッ素(N)、リン酸(P)、カリ(K)の配合合計が30%以上のもの。
 栽培期間の長い野菜に適している。
配合肥料
・必要な三要素を硫安や尿素などの単肥同士を混合し調整したもの。
・有機質肥料も併せて混ぜたものなどもある。
緩効性肥料
・成分が徐々に溶け出すように加工されたもの
・効果が1〜2ヵ月持続する



肥料を使う

有機質肥料の使いかた
有機質肥料には、三要素をバランスよく含んだものがないため、ブレンドして使います。たとえば、チッ素を多く含むダイズかすに、リン酸とカリを多く含む草木灰を混ぜるなど。いろいろ工夫して、オリジナルのおいしい肥料をつくるのも楽しいものです。
POINT
畑に施す際には、悪臭対策を忘れないようにしましょう。肥料が土の中で発酵するときには悪臭が発生します。有機質肥料を施すときは、すぐに土とよく混ぜておきます。

有機質肥料を与えるタイミング
有機質肥料は、微生物に分解されてから“根っこ”が吸収するので、効果が現れるまでに時間がかかります。そのため、使用する場合は必ず元肥として、タネまき植えつけの2〜3週間前に、土に混ぜておきましょう。
POINT
大量に使うとアンモニアガスが発生し、野菜の生長に害を及ぼします。多めに入れすぎたかなと思ったら、タネまきや植えつけの前までに、何度か土をよく混ぜてガスを抜くようにしましょう。

化学肥料の使いかた
速効性のものと緩効性のものがあるので、使い分けます。元肥には両方をバランスよく、追肥には速効性肥料を使いましょう。
速効性のものには、普通化成肥料があります。緩効性のものには、高度化成肥料や、専用に加工された緩効性肥料があります。
単肥を使う場合は、リン酸は必要とされる全量を元肥に、チッ素とカリは、全量の1/2〜1/3を元肥に、残りを1〜2回に分けて追肥にします。
POINT
濃度の高い化学肥料は少量で効果が表れるため、過剰に与えないように注意してください。大量に与えると、栄養過多で“根っこ”が傷み、葉が枯れたり、株が枯れたりするのでご注意を。

化学肥料を与えるタイミング
さまざまなタイプがあり、目的に応じてすぐに使うことができます。野菜ごとの肥料を与えるタイミングについては、つくりかたのページ で紹介します。


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<コラム>地球にやさしい土作り
「コンポストで堆肥づくり!」
畑で使う堆肥は、家庭でもつくることができます。
いちばんかんたんなのが、コンポストを使った堆肥づくり。
庭やベランダ、室内など設置する場所によってさまざまなコンポストが販売されています。
なかにはミミズに協力してもらいながら堆肥をつくるコンポストもあります。
いろいろなタイプの中から、使いやすそうなタイプのコンポストを選びましょう。
自治体によっては、コンポストの購入に助成金をだしているところもあります。
家庭からでる生ゴミを使って、地球にやさしい堆肥に挑戦してみませんか?
では、庭に設置するタイプのコンポストを使った堆肥づくりを紹介します。

<コンポストの設置>
    コンポストから吹き出して3つの条件が出ている
    コンポストから吹き出して
    3つの条件が出ている
  1. コンポストを設置する場所を決めます。
    コンポストの設置条件
    日当たりがよい
    水はけがよい
    風通しがよい
  2. はめこむコンポストにあわせて土を掘り返しているところ
    はめこむコンポストにあわせて
    土を掘り返す
  3. コンポストを設置する場所を20〜30cmほど掘り返します。
  4. 掘り返した穴にコンポストを入れているところ
    掘り返した穴にコンポストを
    入れる
  5. コンポストを掘った穴にはめ込みます。
  6. コンポストのまわりに盛り土をしているところ
    コンポストのまわりに
    盛り土をする
  7. コンポストのまわりに5〜10cmほど盛り土をします。

POINT
使い始める前には、落ち葉や雑草、もみがらを数cmほどいれておきましょう。

<生ゴミを入れる>
    ゴミをコンポストに投入しているところ
    ゴミをコンポストに投入
  1. 生ゴミをコンポストに入れます。
  2. 生ゴミと土や落ち葉を重ねているところ
    生ゴミと土や落ち葉を
    重ねていく
  3. 入れた生ゴミが見えなくなる程度に土や落ち葉、米ぬかなどをかぶせます。
  4. コンポストをスコップでかきまぜているところ
    コンポストをスコップで
    かきまぜる
  5. 半月に1度、または生ゴミを入れるたびに中身をかき混ぜます。
  6. コンポストのまわりに盛り土をしているところ
    コンポストのまわりに盛り土
  7. コンポストがいっぱいになるまで1から3までを繰り返します。

POINT
ウジやハエなどが発生した場合は、消石灰を土や生ゴミが見えなくなるまでかぶせます。
水分が多い場合は、落ち葉や乾いた雑草などを多めに入れておきましょう。

コンポストに入れられるもの:
調理ゴミ(野菜クズや魚の骨)、食事の残り、落ち葉、乾いた雑草など
コンポストに入れられないもの:
ビニール、ガラス、プラスチック類、貝の殻など

コンポストに入れる生ゴミの水分はよく切っておきましょう。
水分が多いとウジやハエなどが発生しやすくなります。
また、生ゴミは細かく切ってから入れると分解速度が速くなります。

<熟成させる>
    コンポストをそのまま放置しているところ
    コンポストをそのまま放置
  1. コンポストがいっぱいになったら生ゴミの投入をやめ、しばらく放置します。
  2. 1ヶ月に2、3回コンポストの中を切り返します。
  3. 1ヵ月に2、3回コンポストの中を切り返します。
  4. コンポストをはずしてできあがった堆肥がみえているところ
    できあがった堆肥
  5. 生ゴミが黒くなり、いやな匂いがしなくなったら完成!

POINT
なかなか熟成しない場合は、市販の発酵促進剤などを使うとよいでしょう。

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