ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論始動は左ハンドル!テークバックから切り返しまでの流れを解説

2018.02.01

バックスイングは「ハンドルを右に切るように」と言われますが、これを鵜呑みにするとちょっとおかしなことになるので注意が必要です。もちろんこのアドバイス自体は間違いではありません。ハンドルを切るような腕のローテーションがないと、プロのようなバックスイングにはなりません。しかし、その動作を行うタイミングにコツがあって、始動では左にハンドルを切り、それから右ハンドルを切ると、その後の動きとつながりやすくなります。

いわゆる「逆ハンドル」を切るということになりますが、なぜこの動作が必要かというと、始動から右にハンドルを切ってしまうとクラブフェースが開きすぎてしまうからです。また筋肉の伸び縮みを使う旨味もなくなってしまうため、飛距離をロスすることになってしまいます。ですから、いったん左にハンドルを切ってから切り返しで右にハンドルを入れるようにしましょう。こうすることでバックスイングの動作に「余り」がなくなり、いつも同じダウンスイングの動きを再現しやすくなります。

胴体を左に傾けるよう胸郭を右に動かして始動すると、手元が連動し、クラブヘッドに先行する。このとき左腕が右腕の下に潜り込むような挙動が起こるが、これが「左ハンドルを切る」テークバックだ。

といっても逆ハンドルの始動は簡単ではありません。馴染みのない動作なので戸惑う方も多いと思います。正しく行うために重要なポイントを挙げておくと、「クラブを手先で上げない」ということになります。アドレスの状態から胸郭を動かして始動すると、ゴルフクラブにおいて最も重たいパーツであるクラブヘッドは、ワンテンポ遅れて上がります。このとき左腕はわずかに右腕の下に入ろうとしますが、これが左ハンドルを切る動きに他なりません。意識して腕をローテーションする必要はなく、体幹を使ってテークバックをすれば自然にこの形になるのです。

シャフトプレーンを基準に考えれば、手元はプレーンの下に入り、クラブヘッドは上に抜ける形になりますが、ここも重要です。その状態から切り返して手元がボールの方向に向かうことで、クラブに右回りの挙動が起こり、シャフトが背中側に倒れます。これは起き上がったシャフトが切り返しで寝るということであり、そのまま体の左サイドの運動で手元を引き下ろせば、クラブはシャフトプレーンに乗ります。つまりパッシブトルクを利かせやすくなるということで、その意味においても、始動の左ハンドルは大きなメリットのある動作といえます。

始動で左ハンドルを切ると手元はシャフトプレーンの下に、クラブヘッドはシャフトプレーンの上に動くが、そこからクラブを右回りさせれば切り返しでシャフトが背中側に倒れる。

絵と文
Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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