ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論右腕の内旋がポイント!
ボールがつかまるリリース動作

2017.03.23

突然ですが、プロ野球選手とキャッチボールをしたことがありますか? なかなかできない経験だと思いますが、もしもその機会があったら投げた後の動作に注目してみてください。おそらくこちらに向かってボールを投げ終わった後の手の形に違和感を覚えるのではないでしょうか。自分たちがボールを投げるときの動作と何かが違う・・・。そんな印象だと思います。

注目すべきは、手のひらの向き。ストレートボールを投げ込んできた選手の手のひらは外を向いているはずなのです。野球経験のない素人のイメージだと、投げ終わった後てのひらは内側を向きそうなものですが、これは間違い。プロの選手がバッ!とボールをリリースした後、利き手のてのひらは外を向きます。そして次の瞬間、キレの良いストレートがグローブに飛び込んでくるでしょう。

体と連動して腕を振るときに、利き腕が内旋しながら肩とヒジが回転するために、このような形になるのですが、このリリース動作はゴルフスイングでも共通です。ボールをとらえて打ち抜くとき、利き手はピッチングと同じ動きをしますので、右打ちの場合、右手のてのひらは自分の身体と反対側に向きます。具体的な動きをイメージしにくければ、アドレスの状態からゴルフボールを地面に向かって投げてみるといいでしょう。年配の方はメンコを地面に叩きつける動作といえばおわかりでしょうか。ボールがあると想定した場所に強くボールを当てようとすると、利き腕はピッチングと同じ動作を行うはずです。わざわざ手をひねって(外旋させて)投げる人はいませんし、そんなことをすればケガのものです。

このように、腕は内旋するのが正しいフルリリースの動作であり、これができれば大きなエネルギーを効率よくボールに伝えることができます。またダウンブローにヒットするためにも必要な動きです。もちろんこれとは違った腕の使い方でもボールは打てますが(それがゴルフを難しくしている一因です)、超ロングヒッターやアイアン巧者と呼ばれる選手の多くは、この腕の使い方ができている人たちといえるでしょう。

利き腕は内旋する

野球の投球動作では腕が内旋するがゴルフスイングでも同じで、右打ちの場合、右腕は内旋しながらクラブをリリースする。これはボールを地面に強く叩き付けるときの腕の使い方と一緒で、スピードが出せると共に、ダウンブローにとらえやすい。

絵と文
Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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