ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論ロングヒッターに共通する
下半身の動作とは?

2016.10.27

最近のPGAツアーのドライビングディスタンス上位選手のスイングを見ると、コンパクトなバックスイングの選手が目立ちます。昔は「飛ばし屋」といえば、腕をたわませながら大きく振りかぶって打つものでしたが、イマドキのクラブは軽く、かつそれ自体にエネルギーを持っているので、長い助走を必要としなくなりました。それゆえに、小さなトップから瞬間的にクラブを加速させ、インパクトで最大スピードに持っていく選手が増えたのです。

飛ばそうとすると、つい大きく振りかぶったり、腕のスピードを上げようとしてしまいますが、その打ち方はイマドキのクラブにマッチしていません。感覚的に「そうしたほうが飛ぶ」と思うのは仕方ありませんが、その感覚にミスリードされず、効率の良いスイングをすることが飛距離アップの秘訣でもあるのです。

ではイマドキのクラブで飛ばすにはどうすればいいかというと、まず手や腕を極力使わないことです。ヒジを曲げ伸ばしして加速させようとするアマチュアは非常に多いですし、そう教えるティーチングプロもいますが、これは筋力や柔軟性が足りない場合の妥協的なメソッドで、最高効率を実現するものではありません。ヒジを曲げて使うと胴体のエネルギーがクラブに伝わりにくく効率的ではないのです。左腕はアドレスの時点で伸ばしておき、インパクトまで曲げずに使うことでシャフトがしなりやすくなります。

腕や手首の使い方は個性が出る場所なので個人差がありますが、下半身に関しては、飛ぶ選手に共通する動作があります。それが何かというと「左ヒザの曲げ伸ばし」で、ダウンスイングで左ヒザを曲げ、インパクトの直前に伸ばして打つのです。

左ヒザの曲げ伸ばし

1 : 左足で地面を踏み込むと左ヒザが曲がる。
2 : 地面からの反力で左ヒザが伸びる。

この動作で何を行っているかというと、地面からエネルギーをもらっています。切り返しから左足で地面を強く踏み込み、跳ね返ってくる力を利用して左ヒザを伸ばしているのです。左ヒザが伸びるとき、地面から跳ね返ってきた力のベクトルは斜め後ろに向かっていますから、左のお尻が後ろに下がります。これによって骨盤がスピンし、左腕が引っ張られて下りてくるのです。このとき左腕が緩んでいると、せっかく作った体の高速スピンを生かしきれません。だから左ヒジは曲げないほうがいいし、スイングを通して左腕は固く使うべきなのです。

ヒザの曲げ伸ばしで
骨盤をスピンさせる

1 : 切り返しで左ヒザを斜め前に押し込んでいくイメージ。
2 : 地面の反力を利用して左ヒザを伸ばすことで高速のヒップターンが起こり左腕が引き下ろされる。

絵と文
Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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