ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論完璧なスイングでも曲がる理由

2013.03.28

その事件は川奈ホテルゴルフコースの大島コースで起こりました。4番ホールは谷越えの左ドッグレッグで、左サイドは断崖絶壁その下は海という難しいパー4なのですが、ここで私は左を警戒しながらティショットを放ったわけです。バックスイングがいいところに上がり、まずますのスイングで打てたかなと思った次の瞬間、ボールは左に飛び出し海の藻屑となったのでした。

インパクトでフェースがかぶったわけでもないのになぜ左に飛ぶの? と私はしばらく事態が呑み込めず呆然としていたのですが、みなさんにもこのような経験があるのではないでしょうか? そう、そんなに悪いスイングじゃないつもりだったのにボールが曲がってしまうという経験です。

以前このコラムでスイング軌道とフェースの向きによってボールが曲がるのだ、と書いたことがありましたが、実は曲がる要因はもう1つあって、それはフェースのどこにボールが当たるか、要するに打点なのです。

私のボールが左に飛んだのはフェースのネック寄りに当たってしまったからなんですね。ネックにボールが当たるとその衝撃でトウが前に出るのでフェースが左を向いてしまうんです。逆にトウにボールが当たると衝撃でネックが前に出て、フェースは右を向きます。このように、いくら完璧な軌道とフェースの向きでクラブが入ってきても、打点が悪ければボールはまっすぐ飛ばないということなんですよ。

ネック側にボールが当たるとフェースは左を向き、トウ側にボールが当たるとフェースは右を向く。この挙動はパターだけでなくすべてのクラブのインパクトで起こっているので芯で打つことが重要になる

ネック側にボールが当たるとフェースは左を向き、トウ側にボールが当たるとフェースは右を向く。この挙動はパターだけでなくすべてのクラブのインパクトで起こっているので芯で打つことが重要になる

この現象はドライバーだけでなく、すべてのクラブで起こります。特にパターが深刻で、まっすぐストロークしたつもりでも、打点がズレているために外してしまうことはけっこうあるんです。タップインしようとしてチュルッと外してしまうような場合は打点が大きく影響しているといっていいのではないでしょうか。「パターは芯で打つことが大事」だとよくプロが言いますが、それはこういう意味なんですね。芯に当たればパターのヘッドはぶれませんから、フェースの向きさえ正しくセットできていれば、多少軌道がぶれてもボールはまっすぐ転がります。ところが芯を外すと軌道が完璧でもフェースの向きが変わってしまい、ボールはカップに転がっていかないのです。

ですから思いがけずボールが曲がったり、短いパットを外してしまったようなときは、打点が悪かったのではないかと疑ってみてください。スイングやストロークをその場で修正するのは難しいですが、打点を意識することは可能ですからね。

「クラブの芯で打つ」もしかするとこれがゴルフ最大のコツかもしれません。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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