ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論力任せに振っている証拠?
ドライバーだけ安定しない理由

2012.08.30

ゴルフは14本のクラブを使って行うスポーツですが、すべてのクラブが上手く打てる日というのはなかなかないものです。ドライバーは調子がいいけどアイアンが曲がる、アイアンはまっすぐ飛ぶのにドライバーはどこに行くかわからない。普通そんなものではないでしょうか。ごく稀にドライバーとアイアン両方調子が良いときもありますが、そんなときはパターが全然入らなかったりします。

なぜドライバーとアイアン両方うまく打てないかというと、クラブの特性に違いがあるからです。最も顕著な違いは長さ。ドライバーは長くてアイアンは短いということですね。長ければそれだけ振りにくくなるわけで、ドライバーの難しさはそこに集約されているといっても過言ではありません。

長いクラブを上手く打つコツは強く握り過ぎないことです。グリップを強く握って力任せに振ると、手元が先行して振り遅れます。フェースも返らないので右に飛んでしまうというわけですね。グリップを柔らかく握り、クラブヘッドの行きたがる方向に逆らわず振ればクラブは綺麗な円を描きます。これならうまくミートできますし、フェースも自然に返ってボールはまっすぐ飛んでくれるものです。

一方、アイアンを上手く打つコツは、フェースの向きをしっかり管理することです。アマチュアにはバックスイングでフェースが開き過ぎる人が非常に多いのですが、アイアンは自動的にフェースが返るようには設計されていません。そのため、そのまま振るとインパクトでもフェースが開いて右に飛びますし、それを嫌って無理に返そうとするとひっかけてしまいます。ある意味オートマチックなドライバーに対し、アイアンは自分でフェースをスクエアな状態に保つことが必要なマニュアル的クラブだと覚えておきましょう。

これは一般論ですが、男性はドライバーは曲がるけれどもアイアンはそこそこ打て、女性はドライバーは上手に打つけれども、アイアンだと右に飛んでしまう場合が多いのが普通です。なぜそうなるかというと、ここまで説明してきたクラブの特性に理由があるのです。腕力と握力の強い男性は力づくで振るので、アイアンはそれなりにコントロールできますが、ドライバーは振り遅れてしまいうまく打てないのです。そして腕力も握力も弱い女性はアイアンのフェースが開いてしまい右にばかり飛んでしまいますが、ソフトに握っていれば自然にフェースターンするように設計されているイマドキのドライバーだとまっすぐ打てるというわけですね。

というわけで、男性はドライバーのグリップを握る力を緩めましょう。ソフトに握って打てばスイングプレーンが改善され、と同時にフェースが自然にターンしてまっすぐ飛ぶはずです。また女性はアイアンを気持ちしっかり握ってください。その上でバックスイングでフェースが開かないよう気を付ければ、きっとうまく打てるでしょう。

グリッププレッシャーが強いとドライバーは振り遅れてしまう。クラブフェースが開くのでボールは右に飛ぶ

グリッププレッシャーが強いとドライバーは振り遅れてしまう。
クラブフェースが開くのでボールは右に飛ぶ

シャフトが水平な位置に上がったときにクラブフェースの向きが前傾角度と一致していればスクエア

シャフトが水平な位置に上がったときに
クラブフェースの向きが前傾角度と一致していればスクエア


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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