ゴルフ理論

スコアアップにつながるゴルフ理論【ゴルフの心理学】潜在意識が
ショットに及ぼす影響とは?

2010.06.17

ゴルファーにとって最も嫌なものといえばOBではないでしょうか。なにしろペナルティ(1罰打)が付くうえに元の場所から打たないといけませんからね。「あっ!」と思った瞬間にプラス2打が確定するし、状況はちっとも良くならないという二重苦が待っているわけです。

でも思い出してみてください。OBを打つときって必ず前触れがありませんか?打つ前に「ここでOBだけは打ちたくないな~」とか「あそこにボールが行ったら嫌だな~」なんて考えていたんじゃないでしょうか。思い当たるフシがある方は多いと思いますが、実はその不安こそがOBの原因になっているんです。

それもこれも潜在意識のなせる技。心理学では常識ですが、人間の潜在意識って「~しない」という否定形を認識できず「~する」という肯定形だと勘違いしてしまうんですね。つまり「OBを打ちたくない」と思っても、「OBを打つ」という形で潜在意識に残ってしまうため、わざわざOBめがけて打ち込んでしまうものなんです。OBに限らず、池やバンカーに入れたくない!と思えば思うほど入れてしまうし、ピンを遮っている細い木にぶち当てるなんていう芸当は、潜在意識がそうさせているんですね。

そんなバカな!と思ってもこれは紛れもない事実。ゴルフだけじゃありませんよ。野球の世界でもピッチャーが「あそこに投げたらダメだ」と思ったら一巻の終わり。潜在意識は「あそこに投げる」と理解するので、相手バッターの得意なコースにボールが行って「カキーン!」と打たれるというわけです。

というわけで原因がわかれば対策は簡単。「あそこに打ったらダメ」という否定的な考えをやめ、「あそこに打つ」と積極的に考えるのです。できるできないはひとまず置いといて、必ず明確な目標を決めてから打つようにしてください。「曲げたら嫌だな~」なんていう否定形が頭をよぎったまま打ったらダメですよ。いったんその思考を捨て去り、「きっと曲がらない」「あそこに飛んでいくはず」というポジティブな思考を持つようにするのです。そうすればOBは必ず減るはずです。

でも、いくら潜在意識が有効だからといって、スイングが良くないと一定の確率でボールは曲がりますからね。あしからず。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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