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ゴルフの雑学・マメ知識日本とハワイを結ぶ偉大なローカルトーナメントハワイパールオープン物語(5)

2010.05.31

※このコンテンツは、2010年3月時点の情報をもとに作成しております。
※ハワイパールオープンは、2013年の第35回大会で終了しました。

システムは「村祭り」。 人と人とのつながりを何よりも重視する

今年で32回目になるパールオープンだが、第1回大会から一貫してスタイルに変更はない。地元を中心とした企業が1社1000ドルから4000ドルを出して大会を支え、運営は本田開発興業のスタッフとボランティアが持ち回りで行う。「みんなのトーナメント」であり続けるために冠スポンサーはなし。

「要は村祭りと同じシステムなんですよ。みんなで少しずつお金を出し合って開催しているんです。スポンサーになってくれるとプログラムに広告が載るんですが、世界的な企業の広告の隣に地元の寿司屋さんの広告が並んだりしている。それがパールオープンの良さじゃないでしょうか。中には遠慮して広告を載せなくてもいいという飲み屋さんなんかもあるんですが、そういう場合はあの店に飲みに行け!って選手の背中をどんどん押しています」

一事が万事このような調子。人と人とのつながりを何よりも重視し、その哲学がトーナメント全体に漂う家族的で和やかなムードを生み出している。それというのも本田宗一郎の「儲けはトントンでいい。世のため人のためになることをやれ」という言葉が始めにあったからだ。

それだけではない。コース造りに反映された妥協を許さないモノづくりに対する姿勢。ユーザーの喜びと利便性を第1とする企業風土。そして常識にとらわれず、いままでなかったことをやるという心意気。すべてのホンダイズムが結集されているからこそ、パールオープンは「偉大なるローカルトーナメント」として人々に親しみを持たれると同時に、尊敬される対象としてあり続けているのではないだろうか。

私たちにはパールオープンがある!ハワイのゴルファーひとりひとりの胸の内には、自分たちが作る自分たちの大会への誇りが見え隠れしている。マスターズよりも重要というのはあながち大袈裟ではないのだ。彼らは毎年2月に行われるこの試合を目標にし、この試合の向こうに世界を見据えている。そしてまた日本のゴルファーも、シーズンを占う試合と位置づけているため目の色を変えて勝ちに来る。ただの親睦ゴルフ大会ではない。日本とハワイの、そしてその他の国々のゴルファーの名誉をかけた戦いなのだ。

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