マメ知識

ゴルフの雑学・マメ知識レフティの時代がやってくる?

2014.04.24

2014年のマスターズトーナメントはアメリカのバッバ・ワトソン選手が優勝し2度目のタイトルを手にしましたが、ここ最近、マスターズで左打ち選手の優勝が目立ちます。2003年にマイク・ウィアー選手がレフティ史上初のマスターズチャンピオンになって以来、レフティの優勝者はこの12年で6人。実にその半分をレフティが占めているのです。

2014年のマスターズトーナメント優勝者はバッバ・ワトソン選手。最終日の13番ではウェッジで2オンに成功するなど、「飛ばし屋レフティ」の強みを存分に生かしての勝利だった

2014年のマスターズトーナメント優勝者はバッバ・ワトソン選手。最終日の13番ではウェッジで2オンに成功するなど、「飛ばし屋レフティ」の強みを存分に生かしての勝利だった

なぜマスターズで左打ちの選手が強いかというと、舞台であるオーガスタナショナルは左打ちの選手のフェードボールが攻めやすいからです。オーガスタは左に曲がるホールが多く、右打ち選手のドローボールが有利とされてきましたが、イマドキのゴルフクラブはつかまりが良いので、ドローボールを思い通りにコントロールするのは至難の業です。それに比べ、左打ち選手のフェードボールはコントロールしやすく、10番や13番のパー5、それから14番パー4のティショットなど、バックナインの鍵となるショットを思い切り叩いて距離を稼ぐことができます。また、勝敗を決することの多い16番のパー3では、左奥に切られるピンに対してフェードで打っていけますから、競輪のバンクのようなグリーンの傾斜を使ってピンに寄せることが、右打ちの選手に比べて圧倒的にやりやすいのです。

このように、オーガスタに限っては左打ちの選手が圧倒的に有利なので、もしマスターズチャンピオンになりたいのであれば、右利きであっても左打ちでゴルフを覚えることをおススメします。
実はそれを実践しているのがフィル・ミケルソン選手で、彼は右利きなのです。子供の頃、ゴルフの上手だった右打ちの父親と正対してスイングを真似ているうちに左打ちになったそうですが、利き腕と逆打ちでゴルフを覚えると、インパクトで体が開かないのですぐに上達することができます。右利きが左打ちすると、右サイドがしっかりするので、オーバースイングになりにくく、球をつかまえることが容易です。左利きが右打ちをするのも同じで、手先ではなく体全体でボールを打つことができるので、正しいスイングの習得に時間がかからないのです。スイングを覚えるのが早ければ、それだけ早く最も重要なコースマネジメント力の習得にとりかかることができますから、強いゴルファーになれる可能性が高いというわけですね。

ベン・ホーガンや岡本綾子選手も左利きでしたが、右打ちです。彼らはそのために美しいスイングを手に入れることができたといえるでしょうが、なぜ右打ちにしたかというと、左打ちのクラブが入手しづらかったからです。昔は左打ちのクラブが揃っていませんでしたから、右利きであれ左利きであれ、右打ちでゴルフを覚えるのが当たり前だったのです。

しかしいまは違います。ツアーモデルにも左打ちモデルがラインナップされていますから、左打ちでゴルフをしようと思えばできる時代です。おそらく、右利きの人は、左打ちのほうが上手くなれることでしょう。そう考えると、左打ちが普通の時代がいつか来るかもしれませんね。もしくは、体を使って打つロングショットは左打ち、利き腕の感覚を生かすショートゲームは右打ち、というスタイルが主流になるかもしれません。

絵と文
Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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