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ゴルフの雑学・マメ知識ゴルフボールの構造ってどうなって
いるの?性能を決める要素

2010.05.13

ボールの種類ってたくさんありますよね。選択の幅が広いのはいいことかもしれませんが、いったいどのボールを使えばいいの!?と迷っているゴルファーも多いことと思います。というわけで今回はボールの選び方についてお話ししましょう。

まずゴルフボールの構造がどうなっているかというと、真ん中に「コア」とか「センター」と呼ばれる芯があり、それを「カバー」と呼ばれる薄い層で包んでいます。いわゆるツーピースと呼ばれるボールはカバーが1層でコア+カバーというシンプルな構造ですね。しかしイマドキのボールは多層構造が多く、第1カバー、第2カバーというように、コアを複数のカバーで包んでいるんです。

なぜ多層構造がいいのかというと、設計自由度が大きいからです。コアとカバーの素材と硬さを変えることでボールの性能が決まってくるのですが、構造が複雑なほどいろんな味付けが可能だということですね。たとえばコアを硬めにすると、ヘッドスピードが速いゴルファー向きのボールになり、コアを軟らかくすると、ヘッドスピードが遅いゴルファー向きのボールになります。また表面のカバーを軟らかくするとスピンがかかりやすくなり、硬くするとスピンがかかりにくくなります。そして中間層のカバーの硬さや素材に変化をもたせることで微妙な調整ができるということですね。

さて、自分に合ったボールの選び方ですが、一番大事なのはボールに求める性能をはっきりさせておくことでしょう。とにかく飛ばしたいのなら、自分のヘッドスピードでしっかりとつぶせて、しかも表面が硬めでスピンが入らないボールを選ぶことです。

つぶすってどういうこと?そう思った方のために説明しておくと、ボールというのはインパクトでつぶれ、その反発によって飛び出していくものだということです。非力なゴルファーが硬いボールを使うとボールをつぶせずに初速が出ませんし、パワーのあるゴルファーが軟らかいボールを使うと、逆につぶれすぎて反発力が弱くなってしまいます。ですから自分のパワーに合った硬さのものを選ぶことがボール選びの第一歩といっていいでしょう。

しかしボールは飛びさえすればいいというものではありません。ある程度の腕になると、スピンがかかってグリーンで止まって欲しくなります。となると表面のカバーが軟らかいボールということになりますが、スピンがかかりやすいということは、ドライバーショットで曲がりやすいということにもなるので注意が必要です。つまり飛びを売りにしているボールはキュキュッ!というようなスピンはかかりませんし、プロが使っているようなボールはスピンはよくかかるけれども、インパクトが安定しないアマチュアが使うとけっこう曲がるということですね。

ですから自分のヘッドスピードが【・遅い ・普通 ・速い】のうちのどれなのかを知ることが第1の要素。次に、とにかく飛ばしたいのか、それともスピンをかけたいのか、どちらもほどほどがいいのか、といった使用目的をはっきりさせることが第2の要素。そして第3の要素は硬い打感が好きなのか、軟らかい打感が好きなのかという好み。この3つをはっきりさせておけば使うべきボールは自ずと決まってきます。ボールの箱には最適ヘッドスピードはもちろん、ディスタンス系、スピン系という基本性能、ソフトフィーリング、ソリッドタイプといった打感、さらには出やすい弾道などが書いてありますから、それらを参考にボールを選び、コースで試してベストなパートナーを探してください。


Honda GOLF編集部 小林一人

Honda GOLF編集長のほか、ゴルフジャーナリスト、ゴルフプロデューサー、劇画原作者など、幅広く活動中だが、実はただの器用貧乏という噂。都内の新しいゴルフスタジオをオープンし、片手シングルを目指して黙々と練習中。

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