開発の現場から 世界品質はここから生まれた。
田中 良男 主任研究員・設計担当 浅井 孝一 主任研究員・完成機テスト担当 中村 政史 主任研究員・電装担当 今井 周平 研究員 デザイン担当
※役職名および担当は、インタビュー当時のものです。


電気のあるフィールドを広げる、ポータブル発電機へのこだわり。

田中:Hondaがポータブル発電機の開発をスタートさせたのは、1960年代のはじめ。当時、世界初の携帯用テレビを開発したソニーの井深社長(当時)が、携帯できて長時間使用可能な電源を探していると聞き、「うちにはエンジンがあるのだから何とかしよう」と本田宗一郎が請け負ったことからでした。小型・軽量で持ち運びに便利なこと、静粛性にすぐれていること、そして家電製品のようなデザインで手軽に扱えることを追求。結局、ソニーとのプロジェクトは実現しなかったけれど、小型化と防音型パッケージ技術をベースに、E40、E80 E100とシリーズを展開。1964年には、E300という、いまだに使われているベストセラーを生み出しました。小さくて、パワーがあって、静か。これは二輪、四輪だけでなく、発電機にも脈々と流れるHondaの大テーマなのです。


つねに先進技術へのチャレンジをつづけること。

田中:1999年には、全製品4ストロークエンジン化を完了しました。屋外で使うものだから、排出ガスはクリーンじゃないと。このあたりも本田宗一郎以来のHondaのこだわりです。それから、コンピュータ化が急速に進む中で、屋外でパソコンなどを使うケースも増えてきました。そこで、取り組んだのが、インバーターです。第1号がEX300というモデル。もちろん世界初。次いで正弦波インバーターを搭載したEX500は、電力会社が供給する商用電源と同じように良質で、パソコンであろうがなんであろうが使え、しかも世界一軽いというのが売りでした。
浅井:小さくてパワーがあって、静か。これをインバーターによって、加速させることができました。
今井:デザイン的にも、これが世界的なスタンダードになっているように思います。いち早く採り入れた樹脂カバーも、いまでは当たり前になりましたし。


より幅広い機器に使える、良質な電気をめざして。

今井:電気に質があるというのを説明するのは、むずかしいですね。
浅井:蛍光灯がチカチカしたりするのは、実は質がよくない証拠なんです。
田中:従来型の発電方式(円筒型発電機)では、インバーター式のような良質の電気はなかなか得られないんですよ。機器によって相性がよくなかったり。理想は、何でも使えますよ、動いて当たり前ですよっていうことをめざしています。
浅井:従来型(円筒型発電機)の場合は、代表的な機器を対象に負荷の確認が必要です。インバーターは、そうした確認が、ほとんど必要ないですね。安心して使っていただける自信があります。


使用シーンを考えると、静かさは不可欠。

浅井:エコスロットルもHondaが初めてつけたものです。今のインバーター搭載モデルには全部ついています。使う機器の負荷に合わせて、自動でエンジンの回転を替えられるようになったんです。勝手におまかせって感じで。
今井:そう、たとえば電動ドリルとかで穴をあける時に、エンジンの回転を上げて、作業の合間にはエンジンの回転を下げる。待機中はすごく静かだし、その分、省エネになって運転時間もいちだんと長くなります。音についていうと、エンジンはもちろん、シンプルな構造で低騒音にできたことも、軽量化と両立していく上で大きな進歩だと思います。
浅井:低騒音化に向けては、エンジンをそのまま流用するのではなく、マフラーや吸気系の専用設計などを行なっています。
中村:このEU9iに搭載されているのは50ccの小さなエンジンで、通常は4500回転ぐらいで運転しますが、機器の作業時には瞬時に6000回転まで上げられます。


2台つないで、2倍のパワーも実現。

中村:手軽に持ち運べる便利さと、もっとパワーを、の声に応えるために。コードで簡単に2台の発電機を接続できたら、と思いました。入社した時から取り組んで、いったんはお蔵入りになったりもしたのですが。二つの電気の波形を同時にピタッと合わさないといけないけれど、そこがなかなかうまくいかない。壊れたりして、そこでまたなぜ壊れたのかって探るところから始めて、やっと。同じ電圧を出しているつもりだったのですが、2台の電圧が微妙に違っていたのです。でも、量産製品ですから、電圧差というのはいくら調整しても生じるんですね。そのため、少しくらい誤差があっても大丈夫な特性をもたせました。世の中に出してみると、私たちが想定してなかったような使い方をしていただいて、結構評判がいいですね。アメリカでは、2、3割の方が、キャンピングカーとかで、並列運転機能を利用しているとか。積み降ろしや持ち運びを考えると、大きくて重い発電機より、小さな発電機を2台つなぐ方が便利ですもんね。


ベースには、Hondaエンジンの品質の高さが。

田中:つねに安定した電力を供給するために、発電機には、耐久性や信頼性が大切です。そういう意味でいうと、優秀なエンジンをもっているというのが、大きいですね。だから長年にわたって、建設現場などでプロに使われ、信頼を獲得できたといえます。いつでもしっかり始動できると。
今井:最近は、工事現場などでも、パソコンを使うことが多いらしく、以前のように大型発電機だけでなく、インバーターをよく見かけます。ストリートミュージシャンが使っているのも、目にするようになりました。
浅井:マイナス40℃の山中とか、我々が予め使用シーンを想定し、検証を行なってきた状況をはるかに超えた、厳しい環境下でも活躍しているという話もあり、ビックリしますね。


発電機の進化には、まだまだつづきがある。

田中:時代とともに、バッテリーの性能も上がってきています。また、燃料電池やハイブリッドなどの方式も出てきました。こうしたライバルたちに対し、発電機ならではの機動性とか、手軽さにますます磨きをかけていきたいですね。そして近い将来、一家に一台発電機、が現実になる日が訪れることを願っています。
今井:軽量・コンパクトで、静か。インバーター化を進めることで、今までとはちがう使い方を広げる、製品を展開していきたいと思います。
浅井:幅広く使っていただくには、基本の進化がいちばん大切だと思います。
中村:インバーターのようにモデル名に「i」の文字がつく、製品のインテリジェント化は、Hondaの中でも発電機が早かったのですが、これからもリーダーとなって汎用製品全体に広げていきたいと考えています。

※製品画像は取材当時に発売されていたものです。

サイクロコンバーター発電機
EX22 
EB23/EB26 
EM23/EM26 

三相発電機
EXT4000 
ET4500 



スタンダード発電機
EP900 
EBR2300CX 



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