ヨソギ
分類
フグ目カワハギ科ヨソギ属
学名
Paramonacanthus oblongus
別名
コオクリ、ヤマモ、ハゲ
  • 特 徴
分布
青森県車力、新潟県、富山湾から九州南岸までの日本海・東シナ海沿岸域、岩手県広田湾、千葉県館山から九州南岸までの太平洋沿岸、瀬戸内海(稀)、屋久島、伊江島、西表島に分布。
大きさ
最大で20cmになる。
釣期
ねらって釣ることはないが、4~12月に釣れることが多い。
棲んでいる場所
浅海の砂地に棲む。
生活史
産卵期は夏~秋で、雄は水深10m前後の砂底にナワバリをつくり、雌とペア産卵する。産卵は日没前に行われ、雄が雌の腹をつついて産卵を促すと、雌は腹を海底にすりつける様にして底質に卵を産みつける。産卵中、雄はピッタリと雌に寄り添い、腹を合わせて放精する。本種の繁殖生態は一夫一婦制とされているが、一夫多妻制を指摘するダイバーの観察事例があり、今後の研究が待たれる。ふ化した仔魚は浮遊生活を経て浅い砂底、藻場や転石帯に着底し、底生動物や海藻の葉上生物を捕食して成長する。稚魚の一部は、流れ藻に随伴して長距離を漂流して分布を広げる。多くは満1歳で成熟すると考えられるが、その後の成長や寿命については不明。
特徴
カワハギ(Stephanolepis cirrhifer)に似るが、最大でも20cmに満たない小型種で、雌雄で体形が異なる。カワハギとは、体がやや細長いこと(雄ではより顕著)、腹ビレが変化した鞘条鱗の可動部が細長いこと(カワハギは可動部が短い)、雄の尾ビレは先端が糸状に伸長すること(雌雄とも尾ビレは糸状に伸びない)で区別することができる。雌雄とも体側に2本の濃褐色縦帯をもつことも区別点となるが、不規則なまだら模様をもつ個体では不明瞭。かつて雄はナガハギと名づけられていたことがある。
主な釣り方
岸壁のちょい投げや磯の小メジナ・海タナゴ釣りのゲストとして顔を出す。美味しい小魚だが数は少なく、ねらって釣ることは難しい。釣り方は、投げ釣りとウキ釣りに大別される。投げ釣りは、コンパクトロッドやライトクラスのルアーロッドを用い、片テンビンにオモリ10号まで。ウキ釣りでは磯竿1号までに遊動ウキ仕掛けを用いる。いずれもハリスはフロロカーボン0.8号前後、ハリは袖や海タナゴバリ5号前後を使用。岩場と砂地が交わる海底がポイントで、波や流れは強過ぎず、できるだけ水深がある場所を選ぶとよい。
美味しい食べ方
カワハギと同様に、まず棘を落とし皮を剥いでから料理する。しっかりとした白身で透明感があり、クセがなくてどんな料理にも合う。体の割に肝が大きいので、これを利用したい。刺身では肝和えが一番で、肝を残した揚げ物や煮つけも美味。肝を入れた味噌汁は上品で、鍋はどれほど旨いかと期待させる。しかし、そのためには数を釣らねばならず、ボリュームに欠けるのが欠点である。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。
  • 特 徴