スケトウダラ
分類
タラ目タラ科スケトウダラ属
学名
Theragra chalcogramma
別名
スケトウ、スケソウ、スケソ、ナツトオダラ、ヨイダラ、キジダラ、メンタイ、ミンタイ
分布
北海道全沿岸、青森県から山口県までの日本海沿岸、青森県から和歌山県までの太平洋沿岸に分布。
大きさ
最大で90cmになる。
釣期
秋から春までの長期間にわたって釣れるが、子持ちとなる12~2月が最盛期とされる。
棲んでいる場所
水深2,000mまでの表・中層域に棲む。ただし、産卵親魚は100~400mの中層域に棲む。
生活史
産卵期は、北海道で12~3月、富山湾で3~4月と海域により異なる。直径1.24~1.70mmの分離浮性卵を産む。孵化後、稚魚は表層で動物プランクトンを捕食して成長する。稚魚が表層に現れる時期は、スプリングブルーム(植物プランクトンの春季大増繁殖)と同調しており、植物プランクトンに引き続いて爆発的に増殖する動物プランクトンを有効に利用していると考えられている。幼魚期以降は群れをつくって小型甲殻類や仔稚魚を捕食し、成長に伴って徐々に深い水深帯に移動する。満3歳で成熟し、産卵期には400m以浅に集群して、ときとして海面近くに現れることもある。成魚は、貝類・大型甲殻類・イカ類や魚類など口にできるものは何でも食べる。4歳で36cm・499g、5歳で41cm・525g、6歳で44cm・592g、7歳で47cm・660gになるが、寿命について詳しくは分からない。
特徴
3つの背ビレと2つの臀ビレをもち、下顎には短いヒゲをもつ。近縁のマダラ(Gadus macrocephalus)やコマイ(Eleginus graciris)とは、下顎が上顎よりも突出することで区別できる。重要な水産資源で、底びき網・刺網・延縄などにより日本海北部や北海道周辺で大量に漁獲される。しかし、近年は日本周辺の漁獲量が減少しており、乱獲のほか海水温の上昇などの海況変化との関連が指摘されている。
主な釣り方
沖釣り専門のターゲットで、ドウヅキ仕掛けで釣る。オモリ250~300号に対応した深場用のサオと大型電動リールの組み合わせとなり、北海道では専用タックルも市販されている。道糸はPE7~10号、ハリスはフロロカーボン16号前後、ハリはムツ・ネムリ系20号前後を使用する。ハリ数は3~8本とするが、慣れないうちは欲張らずにハリ数を抑えた方がよい。エサはイカやサバのタンザクなどだが、エサの選り好みはないので手に入る身エサならば何でも使える。
美味しい食べ方
旬は冬で、水っぽい白身は軟らかく、クセはない。鮮度落ちが早く生食には向かない。身は熱を通しても堅く締まらないが、煮崩れしやすいので汁物にするのが手っ取り早い。味噌との相性がよく味噌汁は絶品で、煮物も旨い。また、クセがないので揚げ物やソテーは魚嫌いにもおすすめできる。卵巣は古くから「タラコ」として広く賞味されてきた食材で身よりも人気が高く、白子とともに煮物や焼き物にすると大変に旨い。大量に釣れた場合は開き干しにするとよく、水分が抜けて旨味が増し、焼いても揚げてもよい。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。