ソウギョ
分類
コイ目コイ科ソウギョ属
学名
Ctenopharyngodon idellus
別名
ソーヒー
分布
アジア大陸東部原産。日本へは1877年に持ち込まれたが定着せず、1943~45年に中国の長江から利根川水系に持ち込まれたものから定着が始まった。国内各地へは利根川・江戸川水系で繁殖したものが池や沼に放流され、東北地方から九州までの主な河川と湖沼で生息が確認されている。
大きさ
最大で1.3mを超える。
釣期
4~12月に釣れるが、摂食量は水温に比例して増加し高水温や酸欠に強いため、7~9月によく釣れる。
棲んでいる場所
大河川下流部の緩流域や平野部の浅い湖沼に棲むが、放流によってため池や人造湖、公園の池などにも棲んでいる。
生活史
利根川・江戸川水系での産卵期は6月上旬~7月中旬で、熊谷市妻沼から羽生市川俣までの利根川と江戸川の一部で産卵する。降雨の増水と水の濁りをきっかけとして1尾の雌と数尾の雄が水面近くで産卵する。卵は半沈性卵で、利根川を100km以上も流下しながらふ化する。仔稚魚は動物プランクトンを食べるが成長とともに植物食に偏り、藻類や水草を経て成魚はヨシ・マコモや沿岸の陸生植物を最も好む。大食漢で、1日の摂取量は体重の35%にも達するため、除草を目的とした放流が行なわる。成長は速やかで、半年で8~15cm、1年で15~25cmとなり、80cmに達する5歳魚以上で繁殖する。
特徴
コイに似るが体は細長く、頭部前端はまるみを帯びる。ヒゲはなく、薄くて櫛状の歯をもつ。体は全体に黄褐色で、背面はやや青灰色、腹部は灰白色を帯びる。鱗の縁辺が暗色にふちどられており、全体として網目状に見える。
主な釣り方
ソウギョ釣りの最もユニークな点は、エサにヨシなどイネ科植物の葉を用いることである。ミディアムクラス以上のルアータックルにハリ1本だけをつけたシンプルな仕掛けにエサの葉を掛けて水面に浮かべて流す。追い風ならばこれだけでよく、風向きによっては飛ばしウキなどをつける。また、岸辺の草を食べに接岸した個体をサオ下でねらう釣法は極めてエキサイティング。まず、岸辺の草をなぎ倒して葉先を水中に漬かるようにしてポイントを造成し、3号以上の磯竿に両軸リールをつけたハリと糸のみのタックルで、エサの葉がポイントの水面に浮かぶように置き竿にする。いずれも向こう合せで、道糸が走り出してからやり取りする。
美味しい食べ方
中国では食用淡水魚として重要で、養殖が盛ん。蒸し魚、煮魚、から揚げ、スープなど多様な料理で賞味される。淡水魚独特の泥臭さやクセは少ないので、釣れた際は是非とも食べてみることをお勧めする。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。