サクラダイ
分類
スズキ目スズキ亜目ハタ科サクラダイ属
学名
Sacura margaritacea
別名
オウゴンサクラダイ、キンギョ、ウミキンギョ、オタマウオ、オタマコロシ
  • 特 徴
分布
兵庫県香住から九州北西岸までの日本海沿岸(少ない)、茨城県、相模湾から宮崎県までの太平洋沿岸、鹿児島県笠沙、鹿児島湾、伊豆・小笠原諸島に分布。
大きさ
雄は最大で20cm、雌は最大で17cmになる。
釣期
ねらって釣ることはないが、4~12月によく釣れる。
棲んでいる場所
水深10~110mの沿岸の岩礁域に棲む。
生活史
雌性先熟型の性転換を行い、産卵期は8~11月で、雄1個体と雌3~10個体を1単位とする繁殖グループを形成する。雄はジグザグに泳いで雌に求愛し、雌が応じると連れ立って上方にダッシュで泳ぎ上がり、反転と同時に放卵・放精する。12~4月にはグループ中に雄とも雌ともつかない中間型の体色をもつ雌から雄への性転換過程の個体が現れる。こうした個体の性転換は8月までに完了し、雄として繁殖に参加する。起伏が大きくて潮通しが良い岩礁や人工魚礁には多数の繁殖グループが集まって、数100個体もの大群を形成する。群れは潮上を向いて流れて来る動物プランクトンや小型甲殻類を捕食する。寿命は5年前後と考えられている。
特徴
日本固有種にして属名にサクラを名乗る。海外の水族館やアクアリストから「ザ、ニッポン」と賞賛される美しい小魚。釣り人からは見向きもされないが、国外では高い人気を誇る。背ビレ第2~4軟条のうち1~3本が糸状に伸長し、尾ビレは深い湾入型で上下先端は伸長する。雌雄で体色が異なり、かつて雌は別種とされてオウゴンサクラダイと名づけられていた。雄は赤い体に2~3列の白斑が散り、雌の体は一様に濃いオレンジ色で背ビレ棘条部後半に大きな黒色班をもつ。また、雄の背ビレ第3棘は糸状に伸びる。大変に美しい学名をもつ魚のひとつで、前述のとおり属名は桜。そして、種名は真珠を意味しており雄の体側にちりばめられた白斑にちなむ。
主な釣り方
船やボートからのアジ釣り、カワハギ釣りやコマセダイ釣りのゲストとしてしばしば釣り上げられる。専門にねらう場合は、ポイント選びがもっとも重要となる。起伏が激しい岩礁や人工魚礁の潮が当たる側に大群がいるので、そのポイントをねらえる位置に船やボートをアンカリングさせる。仕掛けは小アジ用のサビキ仕掛けやテンビン仕掛けを流用し、フロロカーボン1号前後のハリスにチヌバリ3号を結ぶ。寄せエサは有効で、群れに当たれば数が釣れる。
美味しい食べ方
食用魚として認知されておらず、流通に乗ることもほとんどないが、白身でクセはなく美味しい。刺身では歩留まりが悪いが、独特の旨味が感じられる。塩焼きは美味で、開き干しにしてから焼くと旨味が増す。小さな魚なので、丸ごと煮つけや汁物にすると無駄なく食することができる。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。
  • 特 徴