タナゴ
分類
コイ目コイ科タナゴ亜科タナゴ属
学名
Acheilognathus melanogaster
別名
マタナゴ
  • 特 徴
分布
日本の固有種で、関東地方と東北地方の太平洋側に分布。
大きさ
最大10cmに達する。
釣期
1年中釣ることができるが、最盛期は秋から春。
棲んでいる場所
平野部の浅い湖沼や池、それに繋がる小河川や用水路に棲み、水草が茂った浅所を好む。
生活史
産卵期は3~6月で、カラスガイやタガイなどの大型の二枚貝の中に、1回に数粒~十数粒の長だ円形の卵を産みつける。卵は水温15℃では50時間前後でふ化し、仔魚はふ化後1ヶ月近く母貝の中にとどまってから出てくる。稚魚はヤリタナゴ(Tanakia lanceolata)などの他種と混生することがある。1年で成熟し、寿命は2~3歳。雑食性で、小型の甲殻類や水生昆虫、藻類を食べる。
特徴
「タナゴ」は本種の標準和名であるが、タナゴ亜科魚類の総称として用いられることも多いので注意が必要である。本種の体は側扁して体高は低く、日本産タナゴ類の中で体高が最も低い。側線は完全で1対の短い口ヒゲをもつ。肩部に暗青色の斑点をもち、体側には青緑色の縦帯が走り、その起部は腹ビレより前から始まるが肩部の暗青色斑には達しない。背ビレ分枝軟条数は8~9で、背ビレ軟条間の鰭膜に黒斑がない。繁殖期になると雄は次のような婚姻色に彩られる。体側の背側は青紫色、エラブタから胸ビレ上部にかけては淡いローズピンク、腹面は黒色、臀ビレは幅広い白帯に縁どられる。雌は繁殖期にも体色は銀白色のままだが、産卵管が伸長してその先端は尾柄部に達する。近年減少が著しく、神奈川県、東京都、埼玉県では絶滅したと考えられている。環境省のレッドリストで絶滅危惧ⅠB類に指定されている。
主な釣り方
タナゴ専門のタックルを用いたウキ釣り、ミャク釣りでねらう。ポイントは流れがある場所が多いので、ウキ釣りではオモリを重くして浮力のあるウキを使うと仕掛けが安定して釣りやすい。ハリは研ぐ必要はなく、市販のタナゴバリがそのまま使える。オカメタナゴと異なり、ハッキリとしたアタリが出るので、釣り方や仕掛けに繊細さはあまり要求されない。この魚を釣る一番の近道は、釣り方や仕掛けに凝るよりも魚がいるポイントを探し当てることなので、こまめな場所移動をいとわないことが肝要。エサは黄身練りやグルテンのほか、型ねらいではアカムシを使う。
美味しい食べ方
霞ヶ浦周辺の水郷地帯では1980年代初頭までは普通に釣られていたが近年の減少は著しく、関東・東北の生息地の多くは絶滅状態となっている。保護のためにキャッチ&リリースが基本。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。
※環境省レッドリスト等の掲載種については、法令・条例等で捕獲等が規制されている場合があります。必ず各自治体等の定めるルールに従ってください。
  • 特 徴