- 分布
- 能登半島、福岡県津屋崎、北海道から九州南岸までの太平洋沿岸域、東シナ海に分布。
- 大きさ
- 最大で35cmを超える。
- 釣期
- 専門にはねらうことはないが、春から晩秋にかけて様々な沖釣りのゲストとして顔を出す。
- 棲んでいる場所
- 沿岸から沖合の表層から中層を群れで遊泳する。
- 生活史
- 東シナ海における産卵期は4~5月で、沈性粘着卵を産むと考えられているが産卵生態については明らかにされていない。ふ化仔魚は1.9mm前後で、長楕円形の卵黄をもち、2.4mm前後になると卵黄が吸収されてエサを食べ始める。西日本沿岸の沖合域表層には夏季に浮遊期の稚仔魚が広く現れる。30mm以下の稚魚が沖合のプランクトンネット調査のサンプルとして採集されるほか、100mm未満の未成魚が定置網にまとまって入網することがあり、ほぼ一生を通じて表中層を遊泳しているものと推察される。
- 特徴
- 本種が属するサバフグ属は沖合性が強く、湾入形または二重湾入形の尾ビレをもち活発に遊泳する。日本産サバフグ属は7種で、中でも本種とシロサバフグ(L. spadiceus)は個体数が多く、専門にねらう漁業が営まれる水産上の重要種。同属の他種とは、体色は銀色のメタリック調で目立つ斑紋はなく、胸鰭が黒くないこと、鰓孔が黒くないこと、尾ビレは二重湾入形で上下葉端は白いことで区別することができる。また、筋肉に強毒をもち食用禁止のドクサバフグ(L. lunaris)とは、体背面の小棘域が通常胸ビレ先端の前方までしか達しないこと(ドクサバフグでは小棘域が背ビレ基部付近にまで達する)で見分けることができる。日本近海産の本種の筋肉・皮膚・精巣は無毒であるが、南シナ海産のものの筋肉は弱毒、卵巣と肝臓は猛毒との報告があるので注意が必要。
- 主な釣り方
- 沖釣りの対象であり、陸釣りではほとんど釣れない。専門にねらうならばフグ専用のタックルと仕掛けを用いる。釣り方は、エビやアオヤギなどのエサの下につけたカットウで引っ掛ける掛け釣りと、エビエサをつけたドウヅキ仕掛けの食わせ釣りの2つに大別される。
- 美味しい食べ方
- 旬は秋から冬で、可食部分は筋肉、皮と精巣である。しかし、有毒種のドクサバフグとの見分け方は難しく、素人料理で食べるべきではない。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。