カンダイ
分類
スズキ目スズキ亜目ベラ科コブダイ属
学名
Semicossyphus reticulatus
標準和名コブダイ
別名
カンノダイ、モコズ、センタイ
分布
オホーツク海沿岸をのぞく北海道から九州南岸までの沿岸域、瀬戸内海に分布。
大きさ
最大で1.2m以上になる。
釣期
4~1月に釣れるが、秋がベストシーズン。
棲んでいる場所
水深50m以浅の岩礁域に棲む。
生活史
産卵期は春で、雄は起伏のある岩礁域に広いナワバリを持ち、雌雄は円を描きながら海面へと泳ぎ上がって放卵・放精する。卵は分離浮性卵で、孵化仔魚は1週間ほどの浮遊期を経て浅い岩礁域に着底する。若い個体は全て雌で、大型になると性転換して雄になる。甲殻類や貝類などの硬いエサを好み、成魚は大きなサザエも難なく噛み砕く。寿命は10歳前後と考えられているが、新潟県佐渡では20年以上にわたって継続観察された例がある。
特徴
前頭部がコブ状に張り出すことが最大の特徴で、特に大型の雄でその特徴は顕著となり、下顎も著しく厚みを増して大きくなる。背ビレは12棘9~11軟条。体色は成長に伴って著しく変化する。幼魚の体色は鮮紅色で、体側中央に白色縦帯をもち、背ビレ・腹ビレ・臀ビレの各軟条部に白く縁どられた大黒斑をもつ。成魚になると体色は一様な暗いピンク色となり特徴的な斑紋等はなくなる。
主な釣り方
イシダイ・イシガキダイと並ぶ磯の大物釣りのターゲットで、一気にサオを締め込む「カンダイのひとのし」は古くから大物釣り師を魅了してきた。しかし、近年の減少は著しく、1mを超す大物は滅多に上がらなくなった。タックル、ポイントともにイシダイ釣りと同様で、エサは硬くてもちがよいサザエ、カニ、ウニなどがよい。
美味しい食べ方
「寒鯛」とは、寒い時期に旬を迎えることからついた名である。美味として知られており、刺身や洗い、ムニエル、酒蒸し、煮付け、塩焼き、鍋物などで旨い。食べ切れない大物は味噌漬けなどにするとよい。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。