アカヤガラ
分類
トゲウオ目ヤガラ科ヤガラ属
学名
Fistularia petimba
別名
ヤガラ、ヤカラ、フエフキ、フエイオ、タイボウ、ヒーフチャー
  • 特 徴
分布
北海道から九州南岸までの日本海・東シナ海・太平洋沿岸、瀬戸内海、琉球列島、伊豆・小笠原諸島に分布。
大きさ
標準体長(尾ビレは含まない)で2mに達する。
釣期
年間を通じて釣れるが、盛期は6、7月と10~12月の2回。
棲んでいる場所
沿岸から沖合いの水深200m以浅に棲む。
生活史
産卵期は12~3月で、直径1~2mmの浮性卵を産み、受精卵は4、5日でふ化する。ふ化直後の仔魚は6~7mmと大きく、すぐに動物プランクトンを食べ始める。稚幼魚は岸近くの浅い岩礁やサンゴ礁に隠れすむが、成長に伴って沖合いのやや深い岩礁域へと移動する。スポイトのように突出した吻を岩やサンゴの隙間に差し入れて甲殻類や魚類を捕食する。吻の内容積は口を開く際に4~5倍となり、水とともにエサを吸い込む。大型個体はほぼ魚類を専食するようになる。
特徴
日本に分布する本科魚類は、近縁のアオヤガラ(F. ommersonii)とあわせた2種のみ。アオヤガラとの区別は、尾柄部の側線鱗に鋭い後ろ向きの棘があること、背中の正中線上に鱗があること、生時の体色が赤色であることから容易である。
主な釣り方
専門にねらって釣る事はまずないが、南日本の沖釣りでは底魚釣りや青物ねらいの泳がせ釣りのゲストとしてしばしば登場する。大変に美味な魚なので、大型魚にターゲットを絞って釣る価値はおおいにある。大型魚は見かけによらず魚食性が強いので、泳がせ釣りやジギングが有効。泳がせ釣りでは、小~中型のアジ類を活エサに、ハリスはフロロカーボン10号前後、ヒラマサバリ13~15号を用いる。タナを海底付近に絞って仕掛けをゆっくりと上下させて誘う。ジギングは、道糸PE1~2号、メタルジグ100~200号を水深に応じて使い分ける。
美味しい食べ方
古くから高級な椀だねとして知られており、体の1/3を頭部が占めているうえ、内臓がある胴の前半部からはあまり身が取れないため、歩留まりを考えると”超”がつく高級魚といえる。身質はやや赤みを帯びた白身で、旬は秋~冬だが年間を通じて味が落ちない。汁物は最上級で、溶けるように身がほぐれて上品な甘味がひろがる。刺身は皮目が美しく醤油やポン酢に負けない強い甘味と旨味がある。焼き物では適度に身が締まるが、煮物では締まることがなく美味しくいただける。皮付きの空揚げも申し分なく、様々な料理で味わいたい。
※この図鑑は、釣り人のために作られています。
そのため魚の名称は標準和名ではなく、釣りの人の間で呼ばれている通称名が使われているものもあります。
  • 特 徴