大沼 ワカサギ釣り大沼 ワカサギ釣り

世界に誇る三景のひとつは
全国屈指の氷上釣り場。

標高1,131mの北海道駒ヶ岳、別名・渡島富士(おしまふじ)。
江戸時代まで富士山のような円錐形をしていたが、度重なる火山活動で現在の山容になり、
それにより造られた堰止湖が七飯町の大沼湖、小沼湖、蓴菜(じゅんさい)沼といわれている。
一般的に大沼とは、これらの湖沼群の総称を示し、函館に近いことから“函館大沼”とも呼ばれる。
大沼は国定公園に指定されている日本新三景のひとつだ。

大沼は、北海道南部で唯一の漁協が管理する氷上ワカサギ釣り場。
釣り場は東大沼キャンプ場と蓴菜沼の2つに大別でき、
それぞれにある管理棟周辺がポイントになる。
まず向かったのは、大沼湖にある東大沼キャンプ場。
中~上級者好みの釣り場で観光客は少ない。

時計は12時を回り、朝から入っていた釣り人は駐車場で小休止中。
広い湖をほぼひとり占め。水深は6m。
時合は朝といわれるが、底付近を探るとアタリが頻発。
銀盤の穴から眩い銀鱗が躍り出る。
ベテランは「千尾が目標」というだけあり、ワカサギの魚影はすこぶる濃い。
それだけでなく、絶滅危惧種のイトヨが多いのにも驚かされた。
途中から吹雪になるも、夢中でサオ先を見つめた。

大沼湖と小沼湖が繋がるところは水が動いてほとんど凍らず、
冬は渡り鳥などが静かに羽根を休めている。
白銀にひと際映えるオオハクチョウやマガモなどが心を和ませてくれた。

そして夜は、隣町の函館で函館山から望む世界三大夜景、
さらに函館名物の数多くある坂の中から八幡坂に上って幻想的な夜を堪能した。

今年の北海道南西部は荒天に見舞われ、函館の降雪量は平年の倍以上。
そんななか、幸運にも青空が広がり、駒ヶ岳が見目麗しいその全容を見せてくれた。
この日は、もうひとつの釣り場である、蓴菜沼へ。

水深は4mと浅く、仕掛けを下ろすや否や魚からのシグナル。
ワカサギも久々の晴天に気をよくしたのか氷のすぐ下に群れていた。

蓴菜沼には、大きなビニールハウスがあり、その棟内でも釣りが楽しめる。
ハウス内には薪ストーブが置かれていて、冷え切った身体を温められるのがうれしい。

ここで釣りたてのワカサギを空揚げにしてもらう。
天然湖である大沼のワカサギは、食味がとてもよいと評判。
甘みの強い魚体を頬張ると、すっかり寒さが吹き飛んだ。
厳寒が際立てる美景と美魚がここにはあった。

大沼のワカサギ釣り情報

湖面が凍って氷上の釣りが解禁になるのは例年1月下旬ごろから。終了は氷の状況によるが、例年3月中旬まで。
  • ● 解禁期間:1月5日~12月31日
  • ● 入漁料:1日600円
  • ● 管轄漁協:大沼漁協(TEL:0138-67-2329)※火曜のみ在

※このコンテンツは、2018年2月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。
※掲載されている写真は事前に許可を得た場所で撮影を行ったものです。