茅ヶ崎・烏帽子岩 磯釣り茅ヶ崎・烏帽子岩 磯釣り

海から望む世界遺産・富士の威容

茅ヶ崎の沖に浮かぶ、ちょっと変わった形の岩。
平安時代に貴族が被っていた烏帽子に似た形であることから、
烏帽子岩と呼ばれるようになったとされる。
この烏帽子岩を含む姥島の岩礁は、昔から磯釣り場としてよく知られていた。

烏帽子岩に行くには、茅ヶ崎漁港からの渡船を利用する。
渡船の窓口になっている釣具店『磯屋』に立ち寄ると、女将が最近の釣況を教えてくれる。
「今日こそは良型メジナを……」という野望を胸に、船に乗り込んだ。

磯風が心地よく感じられる春、烏帽子岩で主にねらえるのはメジナ。
また濃厚な肝が味わえるカワハギも釣れている。
隣に釣り座を構えた地元の方は、さっそく80cmクラスのヒラスズキを釣っていた。

今回はメジナとカワハギの2種が釣れれば、いうことなし。
富士山をバックに、まずはメジナをねらって第1投。

メジナ釣りのサオは、だいたい1.5号前後の磯ザオ。長さは5.3mほど。
エサはオキアミだが、ここでは寄せエサが独特。
集魚剤を使うことができないので、基本的には渡船屋で予約時に用意してもらう。
朝マヅメの好機、寄せエサを撒いて仕掛けを投入。
じっとウキを見ていると、やがて青い海にスーッと沈んでいった。

「メジナだ!」
大きくしなるサオ。水中で必死に戦う魚。
やがてタモに入ったのは、立派なメジナだった。
パワフルな引きが釣り人を惹きつけるこの魚は、地味な見た目ながら味は一流。
どうやら今日は、ついているようだ。
この調子でカワハギも……と、仕掛けを変えて深場をねらう。

カワハギはドウヅキ仕掛けで、エサはアサリ。
だが、すぐに他魚にエサを取られてしまい、なかなか本命はあがってこない。
頻繁に訪れるコツコツというアタリ、
すぐに合わせるべきか、じっっくり食い込ませるのか……。
あれこれ悩んでいるうちに、不意に訪れた硬質なアタリ。
手が反射してサオを立てると、
これまでとは違うゴンゴンという手応えが伝わった。

水面を割ったのは、カワハギだった。
肝がよく太った、いい魚。
まだ今日の釣りは始まったばかりだが、目的の2魚種を釣って気分は上々。
遠くには富士山が、そんな釣り人のことを温かく見守るようにそびえていた。

烏帽子岩の磯釣り情報

烏帽子岩へは、茅ヶ崎漁港より渡船を利用して渡る。今回利用した磯屋では、渡船料金4,400円。渡船時間は6時、7時、8時で、9時には磯替え可能。帰港は12時と14時。初心者の方は、渡船時にそのことを伝えて、渡るポイントなどをアドバイスしてもらうとよい。

【取材協力】
磯屋 URL:http://www.chigasakiisoya.com/index.html

※このコンテンツは、2017年2月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。
※掲載されている写真は事前に許可を得た場所で撮影を行ったものです。