まず初めに、ヒラスズキ釣りの大前提として、ビギナーはもちろん、経験者であっても釣行は2人以上で行なう。万一の際に連絡の手段がなくなってしまう単独行は絶対に避けるべき。厳しい自然に遊ぶことを常に忘れない心構えが必要だ。そのうえで、ヒラスズキの釣りは、ほかの多くの釣りと違い、風が強く吹く荒れ気味の海に出掛ける。これは釣り場にシケによる「サラシ」ができる必要があるためだ。
経験豊富な釣り人は、釣行日の前後も含めた釣り場のコンディションの推移を観察(予測)したうえで計画を立てている。そして、釣行当日が「風速8~12m」、「波高2.5mのち2m」や「1.5mのち2.5~3m」といった条件になる日をひとつの目安として、なるべくよさそうな日に出掛ける。ちなみにこの時の風は釣り場に向かって吹くものになる。
前日 | 釣行日 | 翌日 | 考え方 |
凪 | 凪 | 凪 | そもそも釣りが成立しにくい |
凪 | 凪 | シケ | 1日の後半にわずかにチャンスが来るかもしれない |
凪 | シケ | 凪 | 少ないチャンスをどうものにするか意識する |
凪 | シケ | シケ | サオをだせるポイントを見極めればチャンス |
シケ | 凪 | 凪 | 前日のシケ具合しだいで前半にチャンス |
シケ | 凪 | シケ | 前半と後半で釣り場を替えるとよさそう |
シケ | シケ | 凪 | 1日を通してよい日になる可能性が高い |
シケ | シケ | シケ | 当日がほどほどのシケ具合なら最高の条件 |
また、シケの推移とあわせて、釣りの計画は「下げ潮」の時間帯を中心に立てる。理由はサラシを生む波が立つためには、釣り場は浅いほうがよいため。また、釣り場を歩き回るうえで、上げ潮で潮位が高くなってくる状況は、途中で先に進めなくなる場所が出てくるのに対し、徐々に潮位が下がっていく下げ潮なら、そうした事態にはならずにすむ。ヒラスズキの釣りでは、1ヵ所に腰を据えて回遊を待つより、自分からヒラスズキがいそうな場所へどんどん歩いて行く。そこで潮回りにも気を配る必要が出てくる。
それらを踏まえたうえで、当日は何よりも目の前の海をよく観察する。自分が立とうと思う位置に波が押し寄せてこないかを常に確かめるのは基本。事前の釣行計画でも可能な限りベストを尽くしたうえで、周囲に常に気を配ることが安全と釣果に繋がる。