• 釣り方 :

アンカーを下ろしてライトコマセ釣りに挑戦

多彩な魚がねらえる五目釣りをやってみる

ボート釣りは大きく分けて、海中にアンカーを下ろし、船を固定した状態でやる釣りと、アンカーを下ろさずゆっくり流しながらやる釣りの2タイプがある。レンタルボート入門者であれば、まずはアンカーを下ろして船を固定する釣りがやりやすい。多彩な魚がねらえる「ライトコマセ釣り」で、まずは一連の流れを解説しよう。
ライトコマセ釣りのポイントは岩礁帯。潮通しのよい沖側のポイントまでボートを漕ぐ
魚探があれば自分で場所を決めて釣りを始めてもよい。それ以外は基本的にボート店ですすめてもらったポイントが釣り場になる
ライトコマセ釣りやアジサビキ釣りなど、寄せエサを使う釣りでは船をアンカーで固定する。また、シロギスやカレイを、一定範囲にテンビン仕掛けをキャストしてねらう釣りでも、パラシュートアンカーがなくボートがすぐに動いてしまうような場合は、やはりアンカーを下ろして釣りをする。この時、アンカーを下ろす位置は、実際にボートを置きたいポイントよりも風上・潮上に少し進んだところにする。これはアンカーが底に掛かったあと、利きをよくするためには、ロープを水深の3~5倍出して斜めにロープを張るため。ボートは風や潮に流されるので、それを見越した位置にアンカーを下ろす。
アンカーはボート店によって形状が違う。写真は金属製のイカリ型。このほかにコンクリートを鋳型に流し込んで作ったアンカー、ブロックや石をロープで結んだアンカーなどもある
ボートはアンカーの落下地点から少し離れた風下・潮下で安定する

ライトコマセ釣りの仕掛け

ライトコマセ釣りで使うのは、テンビン、ビシカゴ(オモリと一体になったオキアミ用のカゴ)、吹き流し仕掛け。ビシカゴに寄せエサのオキアミを7~8分目を目安に詰め、1~2本の吹き流し仕掛けのハリに付けエサ用のオキアミを刺せば準備完了だ。
ビシカゴに入れるオキアミは7~8分目が目安。側面にある窓からオキアミを入れたらひねって蓋をする。上部に小窓、下部に隙間があり、それぞれの開き具合を調整することでオキアミが外に出る量を加減できるようになっている
ビシカゴに入れるオキアミは7~8分目が目安。側面にある窓からオキアミを入れたらひねって蓋をする。上部に小窓、下部に隙間があり、それぞれの開き具合を調整することでオキアミが外に出る量を加減できるようになっている
ビシカゴの隙間は、海中で軽く上下に動かした時に、中のオキアミがポロポロと外に出るくらいに調整しておく。隙間が大き過ぎると一度でエサが出きってしまい、魚を長時間寄せにくくなるのでこの調整は大切だ
ハリに付けるオキアミは尻尾をカットし、切り口からハリ先を入れたら足の部分から抜く。ハリの軸に対して真っ直ぐになるように付けるのがコツ。オキアミが曲がって付いていると、水流抵抗を受けて海中で回転し、ハリスが撚れる原因になる
ハリに付けるオキアミは尻尾をカットし、切り口からハリ先を入れたら足の部分から抜く。ハリの軸に対して真っ直ぐになるように付けるのがコツ。オキアミが曲がって付いていると、水流抵抗を受けて海中で回転し、ハリスが撚れる原因になる
ビシカゴにオキアミを詰め、ハリにオキアミを刺したら、仕掛けはビシカゴから投入。リールのクラッチを切ってスプールを軽く指で押さえたら、全体が絡まないように真下に落としていく
仕掛け投入後、ビシカゴが着底したら、リールを巻いて余分なイトフケを取る(=底ダチを取る)。軽い仕掛け部分が海底近くに落ち着くのをしばらく待ったら、サオを一度シャクってビシカゴを動かし、寄せエサのオキアミを海中に撒く。その後、撒かれたオキアミの中にハリが入るようにイメージして、リールをハリスの長さ分だけ巻いたら、サオを水平にしてアタリを待つ。アタリがなければ、その状態からもう一度シャクリと巻き上げを行ない、一段階上の層をねらう。この釣りでは寄せエサと付けエサをどれだけ同調させられるかがカギだ。

ライトコマセ釣りのイメージ

多くの魚は基本的に底近くにいるので、タナはあまり上まで上げなくてよい。シャクってリールを巻き上げる操作も2回までやって反応がなかったら、また仕掛けを落として底から探り直す。3~5分経ったら一度仕掛けを巻き上げて寄せエサを詰め替える。5分経って仕掛けを回収したのにオキアミがビシカゴの中にまだたくさん残っている時は、ビシカゴの隙間が狭すぎてオキアミがうまく外に出ていない。逆に3分で回収したのにオキアミがきれいになくなっている場合は、シャクリが強すぎるかビシカゴの隙間が広すぎる。理想のオキアミの出方は「ポロポロと途切れずに少しずつ」だ。仕掛けを回収する時は最初にテンビンをボートに入れ、次に絡まないようにハリス部分を上げる。
前アタリが来たあと、サオ先が海面に向けて “ククッ”と入ったら、一呼吸待ってサオを持ち上げる
魚が掛かったらサオの弾力とリールのドラグを生かし、サオを上げすぎないようにして、一定速度でラインを巻く。魚が走った時は無理にリールを巻かなくてよい
ビシカゴがサオ先にぶつからない所までリールを巻いたら、そのままサオを立て、タモを差し出して魚を頭からすくう
この日は水深23mの海底にある根の周りでイシダイが釣れた
ライトコマセ釣りではほかにもいろいろな魚が掛かる。これはカサゴ
ウミタナゴも春の海でポピュラーな小魚だ
小さなカワハギも掛かった。カワハギは口が小さいので、通常は船のカワハギ釣り用仕掛けを使い、アサリやイソメをハリに付けたドウヅキ仕掛けでねらう
※このコンテンツは、2018年3月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。