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アユの毛バリ釣りとは?

流れの緩やかな淵で、その日の〝当たり毛バリ〟を見つける

アユ毛バリ釣りでねらうポイントは、一定の水深があって比較的流速の遅い淵やトロ場が基本。深い淵には「ドブ」の別名があることから、アユの毛バリ釣りは長く「ドブ釣り」と称されてきた。しかし、最近はドブという言葉のイメージがよくないため、「アユの毛バリ釣り」や「アユ毛バリ釣り」と呼んでいる。

シーズンは初夏から秋。特に初夏のアユ釣り解禁当初と秋は魚が毛バリに興味を示しやすく、ベストタイミングとされる。アユを釣るもう1つの方法である、友釣りとの兼ね合いで、釣りができる期間や区間に制限が設けられている場合もあるが、大きな淵や広いで、仲間とゆったりとサオを並べ、独特の釣趣を楽しむ釣りは今も根強い人気がある。
アユの毛バリ釣りは、その日、その時の〝当たりバリ〟(アユがよく食いつくハリ)を探り当てるのが大きな楽しみ。水温、日照の具合、アユの活性などにより、不思議とよく釣れる毛バリはその日によって変わる。また、時間帯によって変わることもある。大勢の釣り人の中で、正解をいち早く見つけた人だけが、入れ食いを演じるといったことが起きるのだ。

この釣りは江戸時代に始まったといわれ、北陸の加賀藩などでは、武士が心身を鍛練する手段として奨励された。現在ではこの北陸を始め、東海、関東、東北の日本海側などが、アユの毛バリ釣りが盛んな地域となっている。
栃木県の那珂川の釣り風景。瀬の流れ込みから続く大淵は典型的なアユの毛バリの釣り場だ。
北陸地方は加賀藩の時代からアユの毛バリ釣りが盛んに行なわれた。写真は富山県の庄川の釣りのようす。
世界自然遺産・北東北の白神山地から流れ出す青森県の追良瀬川も人気のアユ釣り場。新緑に囲まれた大淵に立ち、ゆっくりとサオを上下させて香り高いアユをねらう。
※このコンテンツは、2017年6月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。