マゴチが釣れたホントの理由
オチアイの秘密とササキの悪あがき
「
テナガエビ爆釣お疲れ様です。こちらは
シロギス1匹、
マゴチ1匹だよん(o^-')b」
オチアイのメールを見たササキが
汽水湖からすっ飛んできたのは言うまでもない。45cmはあろうかという魚体をまのあたりにして、しばし呆然。われに返ったかと思うと、恥も外聞もなく質問を連発しはじめた。
ルアー釣りを諦め、ありあわせのオモリとハリでエサ釣りを始めたササキ君。だが、もはやフグさえ釣れない時間帯に突入してしまった
「どのへんで釣った? ルアー? それともエサ? その
タックルだとエサだよな。釣れたシロギスにマゴチが襲いかかったパターンか。よし、わかった、見えた!」
ひとり合点して波打ち際へと走っていくササキ。一度は見切ったルアーロッドを握って、
シンキングタイプのルアーを投げはじめた。マゴチは体を砂に隠して小魚などをねらう
フィッシューイーター。したがって、ルアーも沈むものを使って海底をねらうのがセオリーである。
ところで、オチアイはひとつだけササキに黙っていることがあった。このマゴチ、なぜか尻尾にハリが掛かった状態で上がってきたのだ。仕掛けをズルズル引っぱったからマグレで引っかかったのかも? これがササキに知れたら「
スレは釣ったうちに入らん」などと言われてしまう!
しかし、これはよくあること。「ハリに小魚が掛かる→マゴチが食う→暴れるうちに身体に仕掛けが絡む」という可能性が大である。真実はマゴチに聞かねば分からないが……。
いよいよ女の子と合流!
第一印象ですべてが決まる
空は青く晴れあがった。海岸に立つ発電用の白い風車もほとんど回っていない。「照りゴチ」という言葉があるが、マゴチをねらうには最高の天気だといえよう。とはいえ、移り気なササキに釣られるほどマゴチも馬鹿ではない。岸からルアーでねらう場合、丸1日やったとしても1匹釣れたら上出来なのだ。
「ササキさん、もう食材は充分足りてます。そろそろ上がりましょう」
「待った、もう1投だけ」
「えーっ。もうすぐ女の子たち来ちゃいますよ」
「頼む。一生のお願い」
「じゃあ釣れなかったらボクのカバン運んでください」
「わかった。ラスト・ワン・キャストにすべてを賭ける!」
5分後、すべてを失ったササキは汗まみれになって歩いていた。そこへタイミングよく、ともこさん&かなこさんが到着。
「はじめまして! 釣れました?」
「ええ、ぼちぼち」と余裕をかますオチアイ。
「そっちの人はなんで荷物をたくさん背負ってるんですか?」
「ははは、なんでっすかねー。ダイエット中です! とか言ったりして」
「……」
とにもかくにも4人はクルマに乗って、竜洋海洋公園オートキャンプ場へと向かった。このあと、「男の料理」で巻き返しを計ることはできるのか!?
※撮影:浦壮一郎/文:水藤友基
※このコンテンツは、2010年7月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。