SCENE :
5
ラストチャンスをもう一度。夕マヅメ、イチかバチかの大勝負!?

めいっぱい釣らなくて、どーするの?

ガス式コンロでお手軽バーベキュー。

これなんだろう? タピオカみたい
これなんだろう? タピオカみたい
カエルの卵だった!
カエルの卵だった!
イワナを釣って、ひと息ついたら、なんだかお腹が減ってきました。もう12時過ぎだもんね。気づいたら朝から4時間近く釣りをしてることになります。私はともかく、慣れてないマリコちゃんにはちょっと酷だったかも。そろそろ戻って、バーベキューしよっか。
「えーっ。もうちょっとやりたいです。イワナの大きさ、エリコさんに負けてるし」
うん、その気持ち、わかるわかる。釣りをしてるとご飯を食べるヒマも惜しい!ってなっちゃうんだよね。だけど、「8時間ぶっ続けで釣る女ふたり」とか、ガチンコすぎて女子っぽくない(笑)。

だからこのへんでサクっと昼メシ、じゃなかった、「新鮮なニジマスで野外バーベキュー」のコーナーに移りたいと思いま~す。あ、しまった、かわいいエプロン持ってこようと思ったのに忘れたぁ! こういうとこで女子アピールしようと思ったのに(ブツブツ)。
「エリコさん、いつも釣った魚は食べてるんですか?」
「うん。自分で釣ったキンメダイとか、最高だよ」
「私、キンメダイなんてさばいたことないです。今度ごちそうして下さい!」
「あ、うん、いいよー(汗)」
実は近所の料理屋さんに持ち込んでさばいてもらうことも多い、っていうのはナイショです……。
それはともかく、「FISH・ON!鹿留」のバーベキューはすごく楽チン。なんと、ガス式のバーベキューコーナーが設置されているんです。もちろん炭火をおこして焼いてもいいんだけど、少し時間がかかってしまう。「釣り+バーベキュー」とはいっても、やっぱり「釣り」をメインにしたいから、これなら時間を無駄にせずに遊べるよね。

しかも、ここのガスは中華料理屋も顔負けの強火だから、「野外の焼肉屋さん」みたいな感覚でジュージュー焼けるんです。ん、焼肉? と思ったそこのアナタ。魚だけ食べると思ってた? バーベキューといえば、やっぱ肉でしょ。フランクフルトにイカ焼き、そしてもちろん焼きそば! なんだかお祭りの屋台みたいですが、バーベキューセットの食材を頼むとこれが一式ついてきます。
ロッジから離れた場所にもトイレがあって安心です
ロッジから離れた場所にもトイレがあって安心です
ホイル焼きのほかに塩焼き・ムニエル・フライがおすすめだぞ
ホイル焼きのほかに塩焼き・ムニエル・フライがおすすめだぞ
ニジマスは1匹ずつ、ホイル焼きにしてみました。塩コショーを振って、バターとレモンスライスを乗せたら、アルミホイルでしっかり包んで鉄板の上に置いておくだけ。ちょっと時間がかかるので、いちばん最初に準備しておけば、焼きそばを作っている間にできあがっているはず。そろそろかな? ためしにホイルを開けてみると、湯気とともに香ばしい魚の匂いが立ちのぼりました。

昼下がりのゴールデン・レインボートラウト。

ロッジから離れた場所にもトイレがあって安心です
釣れない時はポイントを変える……と
釣れない時はポイントを変える……と
さて、腹ごしらえがすんだところで、午後の部がスタート!ねらいはもちろん、最上流のネイティブエリアです。たくさん釣れるのもいいけれど、難しさのなかで、どうやったら釣れるかを考えるほうが私は好きです。どうやらマリコちゃんも同じ性格みたい。2人ともガンコなO型、だからかな?

ネイティブエリアで、実は気になっていたことが。橋の上から川をのぞくと、黒い魚影に混じってちらほらと黄色いシルエットが見えるんです。これは「アルビノ」といって、突然変異でまれに現われる個体なんだそうです。中国では「金鱒」と呼んで、お祝いの席で食べるんだとか。
すぐ目に留まるので釣り人に狙われやすく、警戒していることも多い、とワタナベ先生。そんなこと言われたら、ますます釣りたくなっちゃうよね。これから日が傾くにつれてどんどん魚の活性が上がるから、きっとチャンスはあるはず。さっきはサオを出さなかった最上流の広い淵に入って、キャストを開始します。かなり深いポイントです。魚はたくさん見えてるけど、やっぱり無反応。ルアーが悪いのか、ウデのせいなのか。

その時、「釣れなかったら新しい場所へ」という先生の言葉を思い出しました。移動するといっても、これより上には行けません。でも、待てよ。岸沿いの浅瀬を渡ったら、少し沖にある岩の上に立てるかな。ザブザブザブ……。マリコちゃんがびっくりしてこっちを見てます。でも長靴だから大丈夫。よっこいしょ、と岩によじのぼって、よし、これでねらえるポイントが広がった。

こんな単純なことで釣れるなんて、正直あんまり思ってませんでした。ところが岩の上からの数投目、深く沈めたスプーンにヒットしたのは、なんとアルビノ! まさかの作戦大成功です。どんなことでも、思いついたらとりあえずやってみないとね。これで浮かれすぎたのか、帰りに片足をドボン! しちゃったけど……。

でも、こんなことではメゲませんよ~。だって、これからが大事な夕マヅメ。魚たちのディナータイムに釣りをしないで、どうするの?
これがアルビノのニジマスです
これがアルビノのニジマスです
長靴が水没しました(笑)
長靴が水没しました(笑)
このカンツリ、今の季節は7時半までオッケーだから、ガッツリやらせていただきまーす! あれ、なんだか「女子」っぽくないエンディングになっちゃったけど……ま、楽しいからいっか。
※撮影:浦壮一郎/文:水藤友基
※このコンテンツは、2010年5月の情報をもとに作成しております。最新の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。