山根 和明 氏
月刊『つり人』編集長
山根 和明 氏
1994年つり人社入社。2006年より月刊『つり人』編集長を務める。渓流釣り、アユ釣り、磯釣り、沖釣り、コイ釣りなどなど四季折々の釣りを楽しむ。コイ釣りニュースタイルマガジン『Carp Fishing』、渓流釣り専門誌『渓流』、トラウトルアー専門誌『鱒の森』編集長を兼務。

トップウオータールアーでねらうクロダイ

奄美大島は沖縄本島、佐渡島に次いで3番目に大きな離島で、面積は約712平方km。島の西側は東シナ海、東側は太平洋に面していて、どちらの側でも、四季折々さまざまな魚をねらえます。2014年7月に成田国際空港からバニラエアの直行便が就航し、アクセスが容易になりました。
これがマングローブ。こんな浅場もポイントになります
これがマングローブ。こんな浅場もポイントになります
周囲を豊穣の海に囲まれているため、オススメの釣りはたくさんありますが、最近、人気が上昇しているのがマングローブの原生林を縫って流れる川でのクロダイ釣り。奄美大島でもクロダイはポピュラーな釣りターゲットですが、ここでいうクロダイの標準和名はミナミクロダイ。といっても、見た目はクロダイとほとんど区別がつきません。
クロダイのような警戒心の強い魚がルアーで釣れるのか? と思われる方もいるかもしれませんが、クロダイは今や海のルアーフィッシングの人気ターゲットに位置付けられています。「チヌゲー」とか「チヌルアー」などと呼ばれ、魚影の濃い関西エリアでの人気が高まっています。
これがミナミクロダイ。見た目はほとんどクロダイと変わりません
これがミナミクロダイ。見た目はほとんどクロダイと変わりません
マングローブのミナミクロダイは、いわゆるチヌルアーでねらうクロダイよりも、ルアーへの反応が高いような感じがします。マングローブから落ちてきたカニや昆虫類を捕食しているからか、ミナミクロダイの性質なのかは分かりませんが、この釣りに精通する中岡 省吾さんは、半日で20尾近くもトップウオータールアーでキャッチしたことがあるそう。なんともうらやましい話です。

静寂の水面が突如爆ぜる興奮

島の南西部に役勝川が流れていて、下流で住用川が合流。このデルタ地帯に、国内で西表島に次いで二番目という規模のマングローブの原生林が広がっています。
このマングローブの原生林の中をカヌーで下るのが観光客に人気で、周辺にはカヌーツアー会社がいくつかあります。先述の中岡さんはそのうちのひとつ、『黒潮の森 マングローブパーク』の職員で、マングローブのクロダイ釣りのパイオニアのひとりなんです。
2015年の2月下旬、私は中岡さんのカヌーに同乗させていただく機会を得ました。カヌー乗り場からカヌーに乗って2、3回漕げば、両岸にマングローブが茂っている川に出て、クロダイのポイントはそこから数km間に及びます。
カヌー発着場の目の前からマングローブの原生林が展開しています
カヌー発着場の目の前からマングローブの原生林が展開しています
カヌーを漕いでいるのが中岡さん。マングローブのクロダイ釣りのパイオニアのひとり
カヌーを漕いでいるのが中岡さん。マングローブのクロダイ釣りのパイオニアのひとり
カケアガリをねらっていたところいきなりヒット!
カケアガリをねらっていたところいきなりヒット!
メインで使用するのは5cmほどのペンシルポッパー。腹部がオレンジ色のカラーが実績が高いそうです。マングローブがオーバーハングしている部分を見つけ、あたかもマングローブからカニが誤って落水したかのイメージでルアーをキャストします。
キャストがうまく決まったら5秒ほど待ち、サオを軽くシェイクしてルアーを動かします。中岡さんによると、3~5月の最盛期は、この瞬間にバイトしてくることが多いとのこと。
クロダイにしろミナミクロダイにしろ、水面付近のエサを捕食するのがあまり得意ではないようです。バイトがあっても、乗らないことがほとんど。しかし、バイトがあると、たいていは2度、3度とルアーに襲い掛かってきます。
カヌーから釣りをしているため、視線は水面に近く、ねらうポイントも数m先です。ルアーは水面を漂うペンシルポッパー。静まり返った水面を泳ぐルアーを見ながらサオを操作していると、ルアー周辺の水面が突如爆ぜるわけですから、最初のうちはつい「アッ!」なんて声をあげてしまいます。ヒットに持ち込むためには、こちらから合わせるのではなく、向こうアワセに持ち込めるか否か。なので、最初のバイトがきて乗らなくても、頃合を見計らってルアーにアクションを加えます。すると、待ってましたとばかりに次のバイトがきます。このとき、ルアーが消えたとしてもアワセを入れず、サオ先が引き込まれるまで落ち着いて待ち、サオ先に重みを感じたら初めて合わせます。
アベレージは30cm前後とのことですが、40cmオーバーももちろんヒットします。40cmオーバーともなると、カヌーを引っ張られそうなほどのトルクあるファイトを楽しめます。また、5月を過ぎると同様の釣り方でメッキやカスミアジも混じるようになり、夏から秋にかけては40kg超のGT(ロウニンアジ)も汽水域に入ってくるとのこと。

異国情緒あふれるマングローブの川でカヌーに乗ってのルアーフィッシングは、一度体験したら病み付きになること間違いなしです。
アベレージサイズは30cm前後。ですが、引きはパワフルです
アベレージサイズは30cm前後。ですが、引きはパワフルです
今回ご紹介したエリア
鹿児島県/奄美大島のミナミクロダイ釣りMAP
アクセス
奄美大島までは成田国際空港からバニラエアの直行便利用が便利。奄美空港から黒潮の森マングローブパークまでは県道58号線で70分ほど。名瀬港からはクルマで20分ほど。
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※このコンテンツは2015年4月の情報をもとに作成しております。

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