初夏、北海道の多くの渓流がベストシーズンを迎えますが、今回はオホーツク地方の人気河川、渚滑川を紹介したいと思います。
渚滑川は20km以上にも及ぶ長大な
キャッチ&リリース(C&R)区間が設置されていることでも知られており、周辺河川の中でも特に
レインボートラウト(ニジマス)の数が多く、再生産を繰り返したきれいな魚たちが釣り人を楽しませてくれます。
そんなフィールドの初夏の楽しみ方として、おすすめなのが表層の釣り。水面に落ちたセミやバッタはニジマスたちの格好のエサ。ルアー、フライでもそんな陸生昆虫を模したパターンでヒットに持ちこめるのが、この季節の魅力です。水面を流れるセミパターンに派手な飛沫をあげて飛びかかる様を目にすれば、きっと初めての人でも北海道のレインボートラウトに熱くなってしまうはず。
ポイントをどんどん移動しながら魚の反応を探っていくブラインドフィッシングが基本になりますが、時には流れに定位している魚を目視できることもあり、
サイトフィッシングも楽しめます。また、岩盤の際や川底にスリットが入っているポイントなど、確実に魚が付いていると思われる流れは、じっくりとねらってみたいところ。1、2投で反応がなくても、10投ほど
キャストした後にいきなり水面が割れる……
といったことも珍しくないので、ここぞという場所では納得するまで探ってみることをおすすめします。
レインボートラウトのアベレージは40cm前後。50cmオーバーの大ものの実績も高いのですが、なかには60cmを超える魚の記録も…。
そしてそんな初夏の釣りを盛り上げてくれるのが、周囲に広がる景色の美しさです。渚滑川は全体的に落差の少ないフラットな渓相が特徴ですが、川岸ぎりぎりまで迫る豊かな河畔林と、ゆるやかに蛇行する流れは、やはり本州ではなかなか目にできない景観。釣りができるだけで満足してしまいそうですが、そんな場所でエキサイティングな釣りが楽しめるのはさすがです。
ただし、釣りをするうえで気をつけなければならないことも。渚滑川流域はほぼすべての区間が、ヒグマの生息エリアです。川に入る際には鈴や撃退スプレーなどのクマ対策は万全にしておくことが大切です。ちなみに、おもな入渓点にはC&R区間を示す看板が設置されており、駐車スペースも確保されています。