総延長322km、日本最大級の大河である利根川。千葉県と茨城県の県境を流れる最河口部の右岸、千葉県側には漁業基地として知られる銚子港がある。この港を川の流れから守る導流堤として造られたのが全長約2kmの一ノ島堤防であり、その沖には海の高波から銚子港をブロックする地続きの夫婦ヶ鼻堤防がある。
このふたつの巨大堤防の内、渡船を利用して釣りが楽しめるのは一ノ島堤防だ。堤防の沖面はモロに利根川河口部に面し、淡水と海水が混ざり合う
汽水域のため多彩な魚がねらえる。汽水域という条件からも想像がつくように、もっとも人気のルアーターゲットは
シーバスであり、エサなら
クロダイ。これが両横綱だ。
とくにシーバスは、カタクチイワシの接岸さえあれば、日中でも大型が連発する。それも平均して70cmオーバー。80cmクラスはザラという関東でも有数のシーバス釣り場である。
渡船を利用といっても航程わずか3分と実にお手軽だ。しかも2kmもの堤防はどこも有望ではあるが、渡船が着く堤防中央あたりがもっとも高実績のため、ほとんど移動せずにここで粘る釣り人も多い。
水深は足もとで1~2mほど。沖に行くほどなだらかに深くなる。
ミノーなどの遠投でねらえる範囲なら水深5mほどだが、そこから
カケアガリの先は水深8m以上の深い砂地になっている。スピンテールジグなど遠投が効いて、なおかつ
ボトム付近まで沈めやすいルアーでねらうとよい。
船着場付近はちょうど堤防のカーブになっていて利根川の流れと沖からの海水がぶつかり合い、
潮目ができやすい。つまり
ベイトが溜まりやすくシーバスも集まりやすいという。
セイゴクラスが釣れることは少なく、逆に
スズキサイズが多いから、ミノーは11~14cmクラスの
シンキングタイプが中心。これで表層付近をサーチし、遠投や沈ませる必要があるときには20g前後の
バイブレーション、スピンテールジグの出番。
もちろん、釣り場は船着場付近だけではなく、その上流にも下流にも、また枝分かれする各堤防でも釣れるから、潮の流れが悪いときには大きく移動してみたい。