タックルは渓流用の3番以下のものを用意し、フライは
ドライフライを使う。
ニンフでももちろん釣れるが、大きな岩の間をテンポよく釣っていくには、やはりドライフライがおすすめだ。5月下旬からは、山の魚たちもアリなどの陸生昆虫を積極的に食べるようになっており、黒っぽいものを中心に#14~16サイズの
パラシュートフライが定番になる。エルクヘア・カディスなどでもよいが、川が全体に白っぽいので、黒系統のフライのほうが使っていて見やすい。そのうえで、水の透明度がとても高く、釣り人の数も比較的多い川なので、リーダーシステムは全長を少なくとも16~18フィートほどにし、先端を7Xくらいと細めにするのがおすすめだ。
一般的にイワナは大きな石の下やその周りにある、水面の波立ちが静かになった「ポケット」のような場所にいることが多く、ドライフライでねらう時も、そのポケットになるべく長い時間、フライを静かに漂わせるようにする。すると、イワナがフライを見つけて、岩陰からゆっくりと出てくるのだが、逆に流れのある場所ばかりにフライを流していると、なかなか魚の姿が見られない、魚の気配が感じられない、といった展開になることがよくある。あちらこちらにフライを流しているのに、どうも魚が釣れないな? と思ったら、ポケットのような静かな水面をじっくりさぐれているか、あらためて確認してみよう。
ただし、同じイワナであっても、その日の条件によっては岩陰などにじっとしておらず、むしろ開けた流れに出ていることがある。そのような時は、特に上流から流れ込んできた水が、次のポイントに向かって流れ落ちる直前の場所(ヒラキ)にいることが多いので、ポケットのような場所で粘るよりも、川を広く歩きながらそういった場所を重点的に釣っていくほうが多くの魚に出会える。
その日の状況で魚の
付き場が変わることを意識しながら釣る。釣り人の多い人気河川のイワナ釣りで釣果を伸ばすには、実はこの点がかなり大切な要素になる。