シーバスたちにとってたくさんの種類のエサがある隅田川。そのシーバスをルアーでねらう場合、当然、捕食対象を模した釣りが効果的です。なかでもとりわけ最近注目を集めている釣りが「バチ抜けパターン」と呼ばれるもの。バチとはゴカイの仲間のことで、
バチ抜けとは、普段の生息場である泥底から抜け出し、水面を群泳する行動を指します。これはゴカイの仲間の生殖活動で、隅田川ではおもに4~5月に多いようです。
もちろんシーバスはゴカイ以外にもいろいろなエサを食べています。でも、イワシなのかサッパなのか稚アユなのかは、フィールドに通い詰めている人以外はなかなか判別できません。ところが、このバチ抜けパターンは比較的わかりやすいのが特徴。というのもバチが泳ぐのは水面。これをねらうシーバスがいれば口を開けて吸い込む際の波紋や水音が目でも耳でも確認できることが多いのです。
シーズン中はどの潮回りでもチャンスはありますが、有望なのは夕方以降に潮位が高く、下げ潮が利いている時間帯。大潮やその後の中潮で、夕マヅメと満潮が重なるような日は絶好で、風もなく水面が穏やかならば、バチ抜けやシーバスのライズを確認できる可能性が大です。また、そのときにバチが出ていなくても、シーバスはバチを意識して待ち構えていることが多く、ヘチや物陰に潜んでバチが流れて来るのを心待ちにしています。そこへバチを模したルアーを通せば、ヒットにつながることも多いのです。
バチを食べるシーバスの吸い込みは弱いため、ティップ(サオ先)の硬すぎるロッドはあまりよくありません。ソフトティップのロッドを使ったほうがアタリを弾かずに数が伸びます。その際は高い足場から抜き上げる力はありませんので玉網は必要です。ルアーは6~12㎝のシンキングペンシルを中心に、
ミノーや
ジグヘッドワームなども用意しましょう。いずれも、元気な小魚のようなキビキビとした動きよりも、控えめな動きのものがよいでしょう。ラインはPE0.8号前後、
リーダーはフロロカーボン3号を60㎝ほど取ります。
注意点としては、いずれも人の往来のある街中の釣りですので、常に後方を確認して、振りかぶった際にルアーを通行人に引っ掛けるなどのトラブルがないようにしてください。