選出の心
家族の反対で買い換えを断念したり、嗜好の違いによって候補車が変わったり、というのはままある話ですが、買い換えも候補車も全てがスムーズに決定、あとは契約書に判子を押すだけ! というところで購入を断念しなければならないのは、手に入るのがほぼ確実だっただけに、ショックが大きいですよね。 DD.Tomさんの場合は、お嬢様の入試不合格というダブルショックで、その大きさもひとしおだったと思います。
それでも結局ステップワゴン購入となったのは、ご家族のステップワゴンへの強い思いが事態を好転させたのでしょうか、契約日がDD.Tomさんご夫婦の結婚記念日だった、というのにも運命的なものを感じました。

ご家族全員が望んでいたステップワゴン、納車後もご期待に応えて大活躍しているようで、事務局もうれしく思います。DD.Tomさん家族の一員として、末永くかわいがってくださいね。おめでとうございました!
満場一致でステップワゴンに決定!のはずが…
奥さん専用のT社ル○ーダの車検が10月に迫り、新春早々
「そろそろ買い換えないとあかんわなあ」と奥さんと相談。当時高校受験を控えた長女、小3の次女、2歳の長男と、5人家族にはやはり3列シート! と言うことで、1月中旬頃からディーラー巡りを開始。ステーションワゴンを含め、三つ巴と言われる2000ccのミニバンを中心に見て回りました。

3列シート以外の車種については子供達からクレームが出て即×。更に内外装共デザインが不評なN社のSは早々に脱落。M社のMは2.3Lのエンジンが良さそうでしたが、燃費がネックで×。最終的にT社のNとステップワゴンに絞られました。
争点は両側スライドドアとデザインの2つ。どちらを優先させるかでしたが、我が家ではあっさりと答えが出ました。1日に何度も乗り降りする訳ではないので、ドアは1枚で充分!それよりも広さ、装備、質感。これで選ぼう! となり、全員一致でステップワゴンに決定したのです。何よりNには兄弟車もいるし、その辺りの引っかかりもありました。やはり専用ボディの方が気分がいいですものね。

候補も決定し、後は長女の高校の合格発表を見てから判子を押すだけとなりました。
が!! その長女がよもやの不合格。
結局第二志望の高校に落ち着きはしましたが、その高校は遠いところにあり、更に通学のバス定期代が月に2万5千円も掛かる事が判明。自転車で通うと娘は言ってたんですが、やはり危ないのでバス通学させようと、奥さんと話し合って決定しました。
その席上、奥さんが「これでステップワゴンは買えなくなったね」と一言。
「あっ!」以降絶句…。限られた財源故に、そりゃそうだ。

「やっぱ無理?」
「うん」
「そうかー。無理かー」
「うん。あかんわ」

正直「合格してればなぁ〜」と口にも出したんですが、やはりステップワゴンは憧れだけで終わるんだな、と思いました。足繁く通って頂いた担当セールスマンの方には非常に申し訳なく思ったのですが、ローンに充てる予定分がバス代に消える事をうち明け、引き上げていただきました。
クルマ選び再開、そして運命の再会
それでも前車がディーゼル車だったもので、買い換えは必須。各社の3列シートの中古車を見て回りました。良いなと思っても喫煙車だったり、嫌な改造をされていたり。憧れのステップワゴンに至っては、新車並の価格でお手上げ。7年落ちの程度のT社の3Lモデルを買おうとしたんですが、

「あと3年でスクラップやん。これでこの金額出すの?」と奥さんから苦言。
「高い?」と聞くと「もったいないよ。これなら新車の小さいの買おう」との答え。

大きさ(広さ)を諦め、長持ちする新車にしようと再度選定に入り、ミニミニバンなら3列シート&ローコストだろうと、T社のS、モビリオの2車に絞り込みました。
子供達はS、奥さんはモビリオを推進し、日夜会議。子供の意見に押された事、そして設計が新しい事からSにしようと決定しました。試乗も済ませ、条件的にも良かったのですがここでまた奥さんから一言。

「これってちゃっちいよねえ。安っぽいわ〜。ほんとにこれでいいの?」
「安っぽいんじゃなくて安いの、これは。予算的にもしゃーないでしょうに」
「子供の足漕ぎ車みたいにプラスチックだらけやし。
「これならモビリオの方が質感があるわ」
「じゃ、見に行く? 設計古いからSよりかは走らんで」
「今がディーゼルだから、何に乗っても早いと思うよ」
「納得」

となり、再度あのお世話になったセールスマンがいらっしゃるベルノに向かいました。
でも、あんな断り方をしたので顔を合わせづらかったのも事実。かと言って、他の方と話をするのもなんか嫌だし。胸中複雑なまま車を進めました。
この日長女は部活で参加しておらず、次女と長男を引き連れての行脚でした。 どきどきしながらベルノの駐車場に入って行くと、お世話になったあのセールスマンが真ん中に立っているではありませんか!早々に降りていきなんて言おうかなと思案しておりましたら、向こうから

「いらっしゃいませ! ご無沙汰しております!」
と元気に挨拶されまして、すっかり緊張がとけました。嬉しかったなあ、あの一言。
で、こちらの考えを伝えたところ、まだ憧れのステップワゴンが僅かながらあるとの事。この段階で、私は既に家族全員をステップワゴンに載せて走ってる姿が頭に浮かんでおりました。
担当の方が以前作っていた見積をまだもっておられたので、それを中心に話を進め、ここで初めての試乗となったのです。展示車に乗り込んだ事は何度もあるんですが、運転は初めて。子供は嬉しそうに中をスイスイ歩き、3列目迄行っては戻って来、「バスみた〜い!すっごーい!」と大はしゃぎ。2歳の長男も「高い、高い〜(室内高の意味)」と大喜び。そうやろ、そうやろ〜と呟きながら家族で乗り込み、いざスタート!
期待通り、いや想像以上の出来の良さにT車のSは遙か彼方に飛んで行ってたのでした。降りてからもエクステリア等を丁寧に説明していただき、決定的一言が。

「タイミングベルトもチェーンになったんですよ。長く乗っていただけます」

何と! 知らない間に劇的進化を遂げていたんですね。丁寧な車造りに感動しました。
しかし、しかし。どうしても避けて通れない道、そう、予算。
どうしても欲しい。しかし買えないのだろうな、と。でも、最後に大好きなRE3を運転出来て良かった、そう思いながら再度展示場の打ち合わせコーナーの席に着いたのでした
決定の決め手!
提示された金額は、想像を上回る好条件。しかし、ここまで出すのならT社のNも視野に入るよなあと思ってました。と、となりに座ってた奥さんがいきなり「これ買います!」と。最初は耳を疑いました。

「へ? いや、でも…」
「これにしよう。やっぱりこれしかないよ」
「でも予算がなぁ…」
「こんな条件で買えるなんてもう二度とないよ」
「そ、そりゃまぁそやけど……」
「そやろ? これだけしてもらって買わないのはあかん!失礼やわ。
支払いは何とかするよ。だから買おう!」

と、世間一般のご夫婦とは全く逆の会話で購入を決意したのです。実際我が家も今迄はこの様な決め方ではなく私が決定してたんですが、この決断の良さ。男前やなぁ〜と感心致しました。
この時点で希望するボディカラー&内装色の組み合わせの在庫車は全国で僅か12台!
急いでディーラーの端末から押さえてもらいました。そして商談からわずか30分後には手付け金を納め、晴れてステップワゴンのオーナーの仲間入りを果たすことが出来たのです。その間二人の子供は何も知らずに居心地の良いキッズルームで真剣に遊んでおりました。

帰宅後、部活から戻って来た長女に買った事を告げると大喜びしておりました。実は彼女、大のステップワゴンファンなんです。Sじゃなくて良かった、あれじゃどこにも行けない、等といっぱしの事をのたまっておりました。
元はと言えば受験が…と言いかけましたが、結局好条件で買えたので結果オーライ!
ハッピーエディションだけにまさにハッピー!
折しもこの日は16度目の結婚記念日。おめでたが重なりました。ささやかながら両方のお祝いをしました。

ニックネームは「ブラピ」

納車までの数週間、我が家ではステップワゴンのニックネームを決める会議をしておりました。ステップちゃん、ステちゃん、ブラッキー等出ましたが、ブラックステッピー略してブラピ! これに落ち着きました。男前ですからねえ。ドンぴしゃでしょう?

で待ちに待った納車の日。良い天気です! 有休を取り、お世話になった愛車を洗い、掃除機を掛け「ありがとうな」といいながら、荷物を下ろしてベルノに向かいました。一番下の息子以外は学校です。車をベルノに滑り込ませると、あった!既に旧型となったうちのブラピちゃん! 黒くてぴかぴか!「かっちょいぃ〜」と二人して叫びました。
私は希望ナンバーにせずお任せにしていたんですが、仮名は奥さんの一文字目と一緒。4桁の数字は奥さんの誕生日&我が家の人数「5」とのコラボレーション。驚きで鳥肌が立ちました。やはりこう言う縁だったんだなあと二人で話しました。
家に戻り車庫に入れ、室内より眺めてはしみじみと喜びを噛みしめていたら、なんとドアが勝手に開くじゃないですか! あわてて飛び出したら小4の次女が学校から戻って来て、家に入る前に直接乗り込んでいたんです。よほど嬉しかったんでしょう。にこにこにながら全部の座席に座っていました。
手に入れてからじっくり見て、改めてその出来の良さに感服してます。無駄のないスペース設計。COOL & CLASSYなインテリア。力強さを感じるボンネット左右のマッシブな膨らみや、伸びのあるサイドのデザイン。質感の高いプレスや直線と曲線の織りなすリアガラス等はため息ものです。
やっと先日、家族からのリクエストだった海へドライブに行きました。冷蔵庫にジュースを詰めていざ出発!慣らしを兼ねて岡山の牛窓に行きました。車内でハンバーガーを食べたり、眠たくなったらシートをフラットにして寝たり。子供は大喜びで「このシートが気持ち良い〜」と、次女は乗る度に頬ずりをする始末。事実、これには親の私達も同感で大満足しております。

明るくて広い室内はストレスを感じる事無く、あちこちに連れて行ってくれますし、軽快なエンジンはCR-Vのそれとは全く別次元のものです。これが本当の究極のファミリーカーだな、と改めて感心しました。これ以降エンジンも当たりが付いてきたのか、レスポンスが良くなってきました。燃費も10km/L前後と絶好調。まさに完璧! の一言です。

今迄は休みの度に子供達から「買い物に行こう」と言われてました。それが今は「どこか行こう! 遠いところ行こう!」と言うんです。そう、買い物って言うのは近場に行こうと言う意味、つまりは遠くまで行く気がしないって事だったんですね。快適に楽に走れるブラピの魅力は、損得勘定のない子供でも解るだなあと思いました。これからブラピと一緒にあちこち出掛けて、子供に色んなものを見せてやりたいと思ってます。幸いタイミングベルトも切れない様ですから長いおつきあいにしたいと家族一同思っています。