選出の心
自分が乗りたい車とライフスタイルにマッチする車、そのギャップに悩まされている方は多いと思います。今月大賞に選ばれたマリきちさんもそのお一人。スポーツクーペをこよなく愛していたというマリきちさんは、なんとエディックスを購入して2ヶ月が過ぎた現在もまだ悩み続けているとのこと。スポーツクーペからエディックスへの乗り換えを決断するのに、さぞ時間を費やしたことでしょう…と思いきや、意外に2時間程で決意を固められたそうです。マリきちさんにそこまでさせた最大の要因は、お子様の笑顔。親子3人並んでのドライブは、それまで得られなかった感覚ですもの。マリきちさんの信念が霞んでしまう程のパワーが、試乗時のお子様の笑顔にあったのですね。やはり、これに勝るもの無し!

お子様の笑顔と共に走りやデザインも気に入っていただけたことは、事務局としても嬉しい限りです。「実際乗ってみると、想像するより楽しい」という3列シートで、今しかできない家族の時間をたくさん過ごしてくださいね。マリきちさん、おめでとうございました!
購入数日前まで、どんな車なのかよく知らなかった
我が家の愛車となったHondaエディックス。でも購入を決めた数日前までは、どんな格好の車だったかよく記憶していない…ただ3人並んで乗れるのが楽しいといった記事をどこかの雑誌で読んだ、それだけの印象でした。なぜなら、それまではスポーツクーペを愛していたので、正直、ミニバンには食指が動かないでいたからです。

初めてエディックスを意識したのは、通勤途中の電車内。なぜか、今まで全く考えたことのない『エディックス』という車名が電光のように頭の中を駆け巡りました。「よし、宝クジが当たって趣味の2シーターオープンスポーツカーを買ったら、2台目は家族のためにエディックスにしよう!」などと妄想を膨らませていました。それからはエディックスがやたら気になり始めて…。ただ、子供の頃からの“乗り物マニア”な私にとってはこんな思いはしょっちゅうなので、この時はまさか購入に繋がるとは思ってもいませんでした。
いつもの「趣味の試乗」だったはずが…
3月中旬の日曜日。とりたててすることもなく、外で昼食をとったついでに、ディーラーへエディックスを見に行こうということになりました。乗り物マニアな私と車好きな妻という夫婦(とF1関連から名前をつけた3歳の娘)にとって、ディーラーに車を見に行き試乗もしてしまうということは、特別なことではなく趣味みたいなもの。はっきりいってただの冷やかし客でした。ベルノ店に着き、出迎えてくれたセールスマンにエディックスを見たい旨を告げると、早速、試乗車を用意してくれました。横3人並びということもあり、想像していたより圧倒されるカタマリ感。それに対して、切り詰められたサイドフォルムは攻撃的な前のめりのスタイル。そしてなにより、車のデザインのキモは顔ではなく“後ろ斜め!”の信念(?)がある私にとって、傾斜角が途中から劇的に変化するリヤウインドウは、かなりココロときめくフォルム。早速乗り込んでみました。

さすがに横幅が大きく感じられます。その真ん中に存在する“センターシート”に座らせた娘は、今までにない出来事に目をパチクリさせています。運転してディーラーを出るとすぐに、見た目の横幅に反しての取り回しの良さに気づきました。この手の車にしてはかなり最小旋回半径が小さいよう。コーナーリングも幅広なのが効いているのか、実にしっかりしたもの。海岸通りに出てアクセルを踏み込んでみると、なかなかイイ音が…。F1好き夫婦の私達は生涯初めての Honda車に「やっぱりエンジンはHondaだよなぁ」なんてしったかぶったような会話も。運転を代わった妻も、このキビキビした走り心地が気に入ったようでした。そしてなにより、初めて前に広がるパノラマに娘も大興奮しているようです。「しんごーあおー」「まえのくるまあかいねぇー」「ピンクのおはなのモノレールだー」などなど、はしゃぎまわっています。足をバタバタさせるので、センターシート下の物入れを壊すのではないかと心配した程です。

30分ほどのプチドライブも終わり、ディーラーに戻ってセールスマンさんと一応の商談を進めてみました。しかし、娘が気に入ったからといってもそう簡単に買い換えられる額ではありません。ともあれアンケートなどを書き、頂けるお土産はありがたく頂戴して店を出ました。後ほど電話があるだろう、セールスマンさんからの電話は軽く流す予定…と、イヤな客ぶり。「確かにイイ車だった。でもスポーツクーペを降りるなんてまだまだしたくないなぁ」妻とも意見の一致を確認しながら、わが愛車の真っ赤な○リカに乗り込みました。と、ここまではいつもの“趣味”にすぎませんでした。すると! 3歳の娘が突然泣き初めたのです。

「あのくるまでかえるーっ!」「あれをもってかえるーっ!!」「あのくるまじゃなきゃやだーっ!!!」…だそうです。いつも、窓が小さく薄暗い2ドアクーペの後部座席(のチャイルドシート)に縛り付けられている娘にとって、大きな窓のある前席に親子3人並んで乗れることがすごく楽しかったようです。「なんでくるまおいてっちゃうのー」「あのくるまがよかったのにー」走り出してもグシグシと泣き止む気配はありません。ルームミラー越しに妻と困った顔を見合わせました。ただの我がままのグズりではないのです。娘の気持ちはひじょーによくわかるからです。だって、パパもすごく楽しかったのですから。こうなると “家族会議”ではありません。なぜなら妻も私と同じく心が傾き始めたようなのです。
決定の決め手!
そう、問題は“家族会議”ではく“自分会議”でした。「確かに楽しい車だった」「でも、スポーツクーペをやめることができるのか?」「スポーツカー減少の一途を辿っている時勢に逆らっているのが、自分のアイデンティティーではなかったのか?」「AT車なんて運転してるなんていえるのか?」などなど、自問自答の帰り道です。ミニバンとすれ違っては「家族で楽しそうだな…」と思い、スポーツクーペとすれ違っては「カッコイイなぁ…」とため息をつく。自宅までの道のり中、ずっとそんな感じでした。結局どう納得したかというと、実は購入から2カ月を過ぎた今でもいまだに悩み続けています。しかし、私は“スポーツクーペオタク”以上に“子煩悩”だったようです。娘のあの楽しそうな笑顔の前にはどんなに美しいスポーツクーペのスタイリングも霞んでしまいます。 そんなこともあり、2時間後にはハンコを持って再びベルノ店に向かいました。20XでHDDナビ付き、色はビビッドブルーというのもあっという間に決定です。セールスマンさんもメカに精通しているということで、楽しい時間を過ごしました。

エディックスだから過ごせる家族の時間

4月末のよく晴れた日。初めての長距離ドライブに出かけました。INDY JAPANの観戦です。ツインリンクもてぎまでの道のりは楽しく、ラクチンなものでした。運転が楽な車は星の数ほどあれど、あまりに楽すぎるとドライブがつまらなくなります。車を操る達成感と楽さかげんのバランスの置き方は、さすが『走りのHonda』というところでしょうか。娘はほとんど御睡をすることもなく、ずっと歌ったりおしゃべりをしたりと実に楽しそうです。信号や踏み切りの度に声をあげ、特に看板に興味を持ったようで、ずっと「あれはなにやさん?」「あれはなんてよむの?」と話しかけてきます。後席に妻と娘が座り、前席は私1人でもくもくと運転していた以前とは大違いです。実は未だに○リカを見かける度にため息をついてはいるのですが、今再びどちらかを選び直すことができるとしても、エディックスを選ぶでしょう。娘が大きくなったら、またその時に夫婦2人で楽しめるスポーツカーを買うことを夢見て、今でしかできない3人の時間を、エディックスと共に楽しんでいます。