システムの構成と役割(3)


<エアバッグECU>
 エアバッグECUは、エアバッグシステム専用として装備し、加速度センサーからの加速度データを演算。その値と衝突判定基準となるしきい値とを比較し、瞬時に作動すべきか否かを判定します。4個のセンサーからの加速度データを2系統に分けて演算し、2系統双方の演算値とも、それぞれに設定された衝突判定しきい値を超えた場合にエアバッグ作動を決定し、瞬時にインフレーターに点火電流を供給します。これにより、高い信頼性でエアバッグの作動を決定します。このエアバッグECUは、衝突時に電源故障や電圧の低下が発生した場合でも、システムを作動させるバックアップ電源・昇圧回路を備えています。
 またエアバッグECUは、システム機能部品の診断をおこない、異常を検知するとメーター内の警告灯を点灯させてライダーに知らせます。

<加速度センサー>
 加速度センサーは、現状の二輪車の基本構造を変更せずに、より早く衝突の判定ができるように、フロントフォークに設置しています。そしてより正確な衝突判定をおこなうために、フロントフォークの左右に2個ずつ、合計4個のセンサーを装着しています。センサーを左右のフロントフォークに配置することで、前輪が左右に回動をしながら衝撃を受けた場合にも前輪全体の正確な加速度の検知を可能にしています。
 また、左右に2個ずつのセンサーを装備し、二重の衝突判定をおこなうことで、万一いずれかの加速度センサーに異常が発生した場合にも、誤った作動を防ぐことができます。これらのセンサーは、メインスイッチがオンの状態で常時、加速度を検知してそのデータをエアバッグECUに送信しています。


エアバッグECU
加速度センサー


衝突判定ブロック図





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