主要装備(1)


●メーターパネル
 コンパクトなメーターパネルは、市販のストリートバイクに搭載のものでは最小・最軽量です。中央の大型アナログ式タコメーターの右側には大きな液晶ディスプレイを配置し、各種の警告灯と速度計、ツイントリップメーターをデジタル表示します。左側の小さな液晶ディスプレイには、7段階表示される燃料残量計とデジタル水温計を装備しています。パネルのまわりを取り囲む明るい液晶のウインカーインジケーターに描かれているのは、ISO(国際安全規格)のマークです。


●始動時のパネルの変化
 メーターパネルのディスプレイで、始動時の動作に変化を与えました。イグニションにキーを差し込んだ瞬間、そのキーがオリジナルであることを内蔵のH・I・S・Sが認証。スイッチを入れると、すべての液晶インジケーターがほんの短い間一斉に点灯します。タコメーターの針は最大値まで跳ね上がり、速度計が288kmという表示をします。少し間をおいて、軽い音をたてながら燃料残量計がオンになり、タコメーターの針と速度計の表示がゼロに戻っていきます。この短い「歓迎の儀式」を経て、セルスターターを回すとエンジンが始動します。
 

●H・I・S・S(Honda・イグニション・セキュリティー・システム)
 Honda独自のH・I・S・Sは、極めて高い効果を発揮する盗難抑止機構です。電子インターロックを利用したこのシステムは、バイクに付属する2本のオリジナルキーでしかエンジンを始動できないよう設定されています。エンジン始動の要となる点火システム機構自体を無力化するため、ホットワイヤー方式や点火スイッチのモジュールをすべて交換する方法でも、エンジンを始動させることはできません。
 Hondaスーパースポーツ・シリーズの他のマシンと同様、CBR600RRのH・I・S・Sもメーターパネルに赤いLEDを一個備えており、24時間の間5秒ごとに点滅を続け、盗難抑止機構がオンになっていることを通告します。24時間以上経過するとLEDの点滅は止まりますが、H・I・S・Sの機能自体は動作を続けます。フューエルタンクカバーの上に貼られたダイヤモンド型のH・I・S・Sステッカーも、このセキュリティーシステムの存在を誇示して、盗難抑止効果を高めています。




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