エンジン(4)


●次世代の電子制御燃料噴射システムPGM-DSFI(デュアル・シーケンシャル・フューエル・インジェクションシステム)
 燃料とエアの制御システムは、高回転域でのシャープなレスポンスやパフォーマンスとともに、市街地の混雑した道路でも扱いやすいよう、低回転時でのリニアで快適なレスポンスの両立を目標に開発され、飛躍的な進歩を遂げてきました。
 CBR600RRの開発にあたって、15,000rpmという超高回転、レース時にはさらに高い回転数に至るまで強力なパワーを発揮することを、開発当初からの目標として掲げました。これほどの高速回転域になると、吸気と排気のサイクルは8/1,000秒と極端に短くなります。そこで明らかになったのが、現行の燃料供給システムがもつ構造的な限界でした。開いたバルブに極めて近い位置から燃料を吸気ポートに吹き込む方式は、低〜中速走行時では素晴らしいレスポンスとパワーを引き出せるのですが、高速で吸気を行う場合、噴射された燃料は猛烈な勢いで流入してくるエアと適切な混合気を形成する時間的・空間的余裕を持てません。





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