VTR1000F 1996

具体的に、Vツインエンジンの魅力とは、

	・	2本のシリンダーから個別に発せられるV型2気筒ならではの特徴的な排気音
	・	アイドリング時でも生き物のように回り続けるVツインエンジンの鼓動
	・	低・中速域での豊かなトルクと、Vツインエンジン特有の圧倒的な加速感
	・	スリムでコンパクトなスタイリングと、Vツインエンジンがもたらす独特の車体ディメンション、魅力的で迫力のあるサイドビュー
	・	コーナリングパフォーマンスやフレーム剛性に貢献するスリムなクランクケース

などが挙げられます。

開発にあたって、キーワードを「心震わすスーパーVツイン」と決定し、従来モデルとは違う新世代のスーパースポーツモデルの実現を目指しました。

具体的な開発目標は下記の3項目に集約されます。

1.快感の走り

VTR1000Fの走りの性能は、最高速、最高出力、限界性能だけを追求するのではなく、そのポテンシャルに到達するまでの過程そのものを重要視し、ある車速からある車速へ加速する時の、Vツイン特有の“加速感や挙動、鼓動や音”を体感でき、誰でもが容易に“快感の走り”を堪能できることを目標としました。

目標要件

・	TOPロールオン加速VツインスポーツNO.1 ^※
・	Vツインエンジンらしい鼓動感を伴った太いトルクと強力なパワー
・	ライダーに忠実なスロットルリニアリティ

（※トップギア80km／hの巡航時に、スロットルを全開にして400mに達するまでの加速性能）

2.意のまま操縦感

VTR1000Fの操縦性能は、サーキット走行での極限性能のみを追求するのではなく、“日常の使い勝手や取り回しの容易さ、ワインディングでの軽快性、高速道路での安定性”を重視し、誰もがあらゆるシチュエーションで、“意のまま操縦感”を体感できることを目標としました。

目標要件

・	400ccクラス並の軽快な操縦性、取り回し性
・	車速とともに増加する安定性
・	新感覚の“意のまま操縦感”の実現