VTR1000F
VTR1000F
 

はじめに



 ホンダはモーターサイクルの開発において、出力特性の向上のみならず、燃焼効率や静粛性・耐振動性のさらなる進化を目指し、エンジンバリエーションの充実を積極的に図って参りました。     
 1977年、ホンダ初のV型エンジンとして水冷・4サイクル・縦置V型2気筒エンジンを搭載したGL500を発表。さらに1982年には、理論上の1次振動を解消し、スムーズで静粛性に優れ、高出力化を実現する90度V型エンジンレイアウトをVF750セイバーに搭載し実用化に成功。この画期的なレイアウトは、その後のVT250シリーズや、VF400/VF750シリーズ等でさらなる熟成を加えながら、ホンダのエンジンバリエーションの一画をなしてきました。
 
 また、オーバー750ccクラスの市場拡大も積極的に図り、1988年のGL1500の輸入販売にはじまり、CBR1000F、CB1000 SUPER FOUR、パシフィックコースト、シャドウ・アメリカンクラシックエディション、ワルキューレなどのモデルを国内でも販売するなど、大型二輪車のラインナップの充実を積極的に図ってまいりました。
 そして1996年9月、国内の免許制度の改正が行われ、我が国でも来春頃より指定教習所における大型二輪教習がスタートするなど、大型二輪車の需要は一層高まることが予想されます。
 
 このような市場環境のもと、ホンダはますます多様化する内外のニーズに応え、製品ラインナップの充実を図るとともに大型二輪車市場のさらなる拡大を目指し、スーパースポーツ専用の高性能、水冷・4ストローク・90°V型2気筒996cm3エンジンを新たに開発するとともに、軽快性と安定性という相反する操縦性能を高次元で両立させることが可能な、S.P.L.(スウィングアームピボットレス)フレームを新開発するなど幾多の新技術を注ぎ込み、新感覚の操縦感とエキゾチックな外観をまとったVTR1000Fを、新世代のスーパースポーツモデルとして誕生させました。

VTR1000Fイラスト



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